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5話 ページ6

side蘭

家に着くと誰も何日も居ないような雰囲気だった。

蘭「…」

竜胆「…A?」

竜胆が恐る恐る呼んでも返事は無い。

竜胆「兄ちゃんたち怒ってないぞ〜?」

返事は帰ってこない。

なんなら

蘭「…Aの靴なくね?」

それから数秒後、

竜胆は青ざめて靴を乱暴に脱ぐ。

竜胆「Aっ!返事して!Aっ!」

慌てて家中を探す弟。

本来なら、いつもなら。


A「らんちゃーん!りんちゃーん!おかえりー!」


笑顔で出迎える末妹。

1番下で1番小さくて1番弱い。

そんなかわいい妹。


ケータイに取り出す。

蘭「今から特徴教えるから探せ。見つけたら近づくな。俺らに知らせろ。」

手下共に探させる。

蘭「いつまでメソメソ泣いてたんだ。」

竜胆「…変な奴らに捕まってないかなぁ…俺らを憎んでる奴に恨まれてないかなぁ……」

!!

俺は居ても居られずに探し回る。


あれって……

竜胆と同じ色のメッシュ入れてる金髪。

俺がゲーセンで取ったキーホルダー。

竜胆が誕生日にあげた黒いリュック。


確定♡

蘭「見つけた♡」

見上げて青ざめるA。

救急車に連れていかれてすぐに意識戻した。

夜中で面会時間も過ぎてたこともあって明日言いたいこと伝えると言って帰る。

家着く直前に電話が鳴る。

「灰谷A様の御家族様でしょうか?○○病院ですが…」

蘭「…はい。」

「A様が精神不安定でして…以前にもこういう事がありましたでしょうか?」

精神不安定?アイツが?

蘭「ないと思うけど?」

「左様ですか…わかりました。」

竜胆「兄ちゃん?」

蘭「…A、精神不安定なんだと。」

竜胆「え、Aが?」

変だな……そんな奴じゃないのに。

【翌日】

Aの病院での言葉は俺と竜胆にとって全てを変えたと言っても過言じゃない。

A「…なんで病院にいるの?」

竜胆「Aが栄養失調だし、治さないとダメだろ?」

A「なんで?」

竜胆「なんでって……」

A「りんちゃん、私にナイショするし、らんちゃんなんか会ってくれなかった。」

蘭「……」

A「…どうせ要らない子だし。」

次の瞬間、Aの頬を思いっきりビンタした。

竜胆「兄ちゃん!!」

蘭「二度と言うんじゃねぇぞ、その言葉。」

あの言葉はAにとって1番のトラウマだった。

A「…」

それを思い出させるくらい俺たちのしてきたことは重いものだと気付かされた。

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作者名:ペテン師 | 作成日時:2023年3月9日 14時

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