4話 ページ5
sideA
昔、らんちゃんとりんちゃんは少年院に入ってた。
面会行くとりんちゃんしか居なくて、
らんちゃんは面会を拒否していた。
A「りんちゃん……」
りん「大丈夫だから。心配すんな。」
りんちゃんはボロボロだった。
会う度に傷つくりんちゃん。
誰にやられたか聞いてはぐらかされた。
おそらく、らんちゃんや他の人にも殴られているんだろう。
そう思ってしまった。
らんちゃんがりんちゃんに手をあげることを考えると、
私と面会してるからとかなのかなって。
頭がいっぱいになって
面会にも行かなくなった。
2人が少年院から出る頃には家出した。
友達の家、転々として。
ネカフェなんかも利用した。
りんちゃんからは鬼電きていた。
留守電も入ってた。
らんちゃんからは何も無かった。
そんな生活を続けてたある日。
「見つけた♡」
顔上げてそこに居たのは
A「らんちゃん……」
蘭「今までどこに居やがった、この愚妹。」
笑顔だけど笑ってないらんちゃんは恐怖の一言だった。
蘭「…」
何も言わずに私を殴る。
殴られた衝撃と殴られた事実の衝撃で声が出なくて
ひたすら殴られ続けられた。
ひとしきり殴ってから、らんちゃんはケータイ取り出し、
蘭「竜胆、見つかったぞ。」
そんな中、私は静かに目を閉じる。
死ぬのかぁ……って呑気に考えてた。
side蘭
おかしい。
Aが反応しない。
本当に反応しない。
蘭「…A?」
声掛けても反応ない。
竜胆「兄ちゃん!Aが見つかったって……」
蘭「…竜胆、Aが冷たい…」
ムカつくから殴ったけど……反応しないから余計ムカついて余計にしたけど、手加減はしたし…
竜胆「…A?」
蘭「会えた喜びより、俺らから逃げたAにムカついて殴った…」
竜胆「と、とりあえず救急車…!」
栄養失調に極限の飢餓状態に殴られてダメージが大きかったらしい。
A……
Aと会うのを拒んでいた。
合わせる顔なんかないから。
竜胆にも会うのを拒否するように言っても竜胆は無視。
それからしばらくして竜胆はどんどん暗くなってた。
竜胆「…もう何日も来てない…」
蘭「…」
ケータイなんか取り上げられてるから連絡する手段もない。
変な奴と一緒にいないよな?
飯は食えてるか?
1人でいるの寂しいか?
なんてやっぱり心配だ。
今度来たら会ってやろう。
そう思ったのに
会えなかった。
迎えにすら来なかった。
17人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ペテン師 | 作成日時:2023年3月9日 14時