11話 ページ12
―現代―
sideA
暇。
めちゃくちゃ暇。
ニートやってて贅沢な悩みかもしれないけど、暇。
prrrr
はぁ……
A｢あ、らんちゃん？ご飯食べたよ。｣
返事は興味なさそうな｢ふーん。｣だけ。
A｢りんちゃんにも伝えててね。｣
2人は表では言えない職種にいるし、
この家(セーフティハウス)に毎日来るわけじゃない。
監視カメラと定期的な電話で察してる。
私は2人に軟禁されている。
A｢抜け出したいとか普通なら思うのかなぁ……｣
私は2人に育てられて、2人に守られてる世界しか知らない。
A｢早く帰ってこないかなぁ……｣
干からびそう。
暇で。
＼ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ／
？？？
誰も来ないのになぁ。
モニター見る。
あ、この人知ってる。
A｢こんにちわ。｣
春千夜｢……オマエ、灰谷どもにボコられるぞ。｣
なんで？
A｢入って、どうぞ。｣
春千夜｢俺も暇じゃねぇんだよ、テメェと違って。｣
いいなぁ。暇じゃないなんて。
A｢らんちゃんとりんちゃんは元気？｣
春千夜｢あー、元気じゃねぇ？｣
同僚ですよね？アナタ。
春千夜｢……｣
？
グイッてサンズくんに引っ張られて
黒い車に乗せられた。
春千夜｢出せ。｣
｢は、はい。｣
外見るの久しぶりだな……
【一方その頃】Noside
蘭｢……｣
竜胆｢あれ？兄貴。定時連絡した？｣
蘭｢した。｣
竜胆(会えてないから機嫌悪ぃな…)
竜胆｢カメラでも見てるの？｣
竜胆(監視カメラ用のタブレットだし。)
蘭｢……｣
竜胆｢兄貴？｣
蘭｢竜胆、コレ見てみ？｣
竜胆｢ん？｣
竜胆(あれ……)
どこにも彼女は居ない。
竜胆｢居ないわけないよね…？｣
蘭｢……｣
タバコを吐く。
春千夜｢よぅ、クソ兄弟。｣
竜胆｢あん？｣
兄弟と呼ばれた2人は目を見開いてく。
A｢あ、あの……さ、サンズくん？｣
春千夜｢テメェ、くん付やめろって言ってんの分かんねぇのか。｣
蘭｢離せ。｣
殺気を出す2人。
一｢おい、さっさと終わらせ…その女……｣
蘭｢女扱いすんじゃねぇよ。｣
一｢意味わかんねぇキレ方すんな。｣
A｢だれ？｣
竜胆｢知らなくていい。｣
A(あのりんちゃんですら怖い…)
春千夜｢灰谷ども。｣
2人は振り向く。
春千夜｢コイツもらうわ。｣
蘭｢A。お兄ちゃんの約束守れるよな？｣
竜胆｢A、怒ってないからこっちにおいで。｣
当の本人は、
A(わぁ、修羅場みたーい！)
何とも思ってなかった。
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作者名：ペテン師 | 作成日時：2023年3月9日 14時
