第7章 エピソード13 ページ47
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「…人生の汚点？なぁ、芽依。アンタは──」
「メイリ！」
そう言って慌てて入ってきたのはミクリオだった。
そして司はミクリオを見た瞬間、キッとミクリオを睨みつけた。
突然睨まれたミクリオは何が起きたのかと言わんばかりの顔をしていた。
「アンタだね、俺の芽依を奪った奴。」
「…？君は？」
「…いいから出てって、司。」
「チッ…芽依に免じて今日は出てってやるよ。」
出ていく際、私を睨みつけ「アンタさえいなければな」と言い残し去っていった。
その言葉はリチャードにも聞こえたらしく、私の手を握ろうとしたが私はメイリに近づいた。
「メイリ、大丈夫だった？」
「そうだ、僕も心配してたんだからな。メイリが再覚醒をしたって聞いた時はどれほど驚いたことか。」
「ごめんね、ミクリオ…。リゼも…。あれは…そう、多分だけどメルーナ様が私を再覚醒させたんだよ。」
「陽の女神様が…？どういうこと？」
「…多分、世界樹に行けば分かるよ。リゼ、もしも…もしもだよ？リゼが愛する人と結ばれた結果、祈願の歌人になるって言ったら…どうする？」
愛する人と結ばれたら…？
祈願の歌人…ゼロス様が言うには、木と岩のような無の存在になるってこと？
「…リゼ、答えて。」
「愛を信じられたら私だってそうしたい。けど、祈願の歌人になるくらいなら愛する人なんてどうでもいい。」
「…！！」
「それが…リゼの答えなんだね。」
「…うん。」
リチャードの目の前であえてそう言った。
リチャードは悲しげな表情をして、無言でその部屋から出ていってしまった。
(…これで、良かったんだよね。)
「リゼの答えはよく分かった。なら、質問を変えるよ。」
「えっ？」
「リチャードは…リゼを愛するって言ったけれど、リゼはリチャードのことをどう思ってるの？」
「…それは。」
「今の気持ちに嘘偽りは本当に無かった？そんな答え出して良かったの？リチャードの気持ちなんてどうでもよくなるほど、リゼはリチャードのことどうでもいい人だった？リチャードのこと、本当は好きなんじゃないの？」
「…違う。」
「何が違うの？私には、今のリゼは現実から逃れようとしてる風にしか見えない。」
「…じゃあ、どうしろって言うの？私が仮にリチャードのこと好きだったとして、リチャードに告白すればいいの？私が動けない身体になったとしても、リチャードは私を好きになってくれると思う？普通は思わないでしょ…。こんな話、もうやめましょう。」
私がそう言うと、メイリは私にビンタした。
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作者名：有栖茶 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年1月15日 11時
