廃妃された皇女様 2nd season (ページ43)

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第7章エピソード9 ページ43

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全て忘れたと思ったのに、影の女神に選ばれし子は忘れる事も許されないの？

どうにかして影の女神と陽の女神に接触出来たらいいのに。

「…リゼの過去は分かった。だが、問題はその少年が神に選ばれし子なのかどうかだな。」
「…まさか、少年が神に選ばれし子だと言うんですか？」
「私とお父様はそう考えてる。芽依が現れた時と同じ現れ方だし、何より神に選ばれし子についてのお告げが今まで無かったのがおかしかったもの。それに、メイリから謎の光が包み込んだのも気になる。」

光が包み込んだなら…メイリはまさか。

私が一人でそう考えてると、部屋のドアにノックが聞こえた。

「入ってください。」

と言うと、大神官リアン様とティアラ様が息を切らせた状態で現れた。

「どうしたのです？」
「大変です！あの少年が神に選ばれし子であることが判明しました。それに…。」
「メイリが再覚醒した…ですか？」
「どうしてそれを…？」

やっぱり…。

聖女が再覚醒…祈りの歌人とはまた違うケース。

…メイリが再覚醒するとなると、魔力が高まったはず。

「その…再覚醒をすると、今までのケースからだと魔力が極限にまで高まり、世界でトップ並に魔力が高まるはずなのですが、聖女様の場合そうではないんです。」

…！？どういうことだろう。

私の時は聖女の力の5倍程高まったけれど、それがそうじゃないって。

「聖女様の場合、聖女という存在とかけ離れるほど違う力が出ているのです。」
「どういう事だ？」
「…聖女様は、光の魔力を操れると思います。祈りの歌人様は歌の魔力。ですが、聖女様は闇の魔力を操れるようでして…。しかも、現時点で光の魔力は出せないとの事です。」
「私達からも何度か接触しようとしたのですが、近づくことすらできません。ただ、神に選ばれし子である司殿は近づく事が何故かできるのです。」

…何故かというのはどういう事だ。

闇の魔力…SSクラスでも扱える子はいるにはいるが、仮に強大すぎる力がまとっているとなると、祝福の力が必要になる。

この世界でいうなら、祈りの唄なわけだけど…。

「申し訳ありません。私達で何度か接触を試みようとしたのですが、全く近づけません。聖女様は今、神殿の月の間にいらっしゃいます。」
「…ということらしいが、娘よ祈りの唄で近づくことを頼みたいのだが。」
「行かせてください。これは…影の女神と陽の女神に選ばれし子の宿命なのかもしれないのですから。」

…待ってて、メイリ。