第4章 エピソード4 ページ5
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あれから何時間が過ぎたのだろうか。
(私…いつの間にか寝てたんだ。)
…今日は色々なことが起きた。
再会に神に選ばれし子の存在…。
「はぁ…。」
(十分に休めたはずだから、仕事しないと。)
皇女として、皇后としての仕事をこなしている私に休んでる暇なんてないのに。
皇宮に戻れない代わりに、皇女…皇后としての仕事をすることになった私。
本当なら、皇女は皇后の仕事はしてはいけないが、お父様は皇帝としての仕事に追われていてとても出来そうにはないのだ。
そのせいか、お父様も体の調子が悪くなることも増えたので、皇妃時代私が皇后としての仕事もしていたおかげなのか、私にも仕事が回ってきた。
私の場合だと、皇女、皇后の二つの仕事に追われているからお父様と同じくらいの仕事量。
眠れない時が続いていたのに…こんなに眠れたのは久しぶりだ。
歌人宮…。祈りの歌人の為に作られた宮殿。
元々フィーゼル学院も、歌人宮のそばに作るように言われていたらしい。
いつどこでも、学院の生徒が再覚醒をできるように。
1000年前、フィーゼル学院が出来た頃と同じ時期に、私以降最後の再覚醒者…フィーゼル侯爵の息子である、ジュリアン・フィーゼルが現れた。
ジュリアンはフィーゼル学院の建設者であり、初代学院長も務めていた。
だが、ジュリアンはその代わり、歌人宮をジュリアン自身に渡すようにと再覚醒者として皇帝に命令し、皇帝に命令することでジュリアンは自分の方が皇帝より偉いと豪語する今となっては悪党と言われている存在。
結果、その態度に痺れ切らす皇帝は、再覚醒者としては初めての処 刑をされるという始末。
今となっては、フィーゼル学院は世界一の学院だとされているが、1000年前の歴史に至っては未だに黒歴史扱いだ。
歌人宮は、ジュリアンがひっそり住んでいたとも言われており、私は今まさにその歌人宮に住んでいる。
…バカバカしい。
どうして一つの存在に、そこまで執着するというの？
…って、それは私もだったか。
…今となっては、どうして彼にあんなに執着してたのかが分からない。
「…？あれは…リリィ？」
歌人宮の前にリリィがいるのを見つけ、私はすぐに歌人宮の外へ出る。
10月の７時に…こんな暗いところでどうしたんだろう？
「リリィ！どうしたの？」
「リゼ！それが…。」
「…？どうしたの？」
「皇帝陛下が大神官様と揉め事になったって！至急、リゼを呼べって頼まれたんだけど…あんな事があった後だったから。」
…お父様とティアラ様が！？
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作者名：有栖茶 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年1月15日 11時
