第7章 エピソード2 ページ36
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「だから、そんな死 ぬなんて言葉簡単に言わないでくれ。」
「ごめん…。」
そうだ…。私までこんな暗くなってはダメ。
私はもう過去を断ち切る…。
トラウマが何よ、私はもう過去とは違う運命を辿ってるんだから。
でも…怖い。
もし裏切られてしまったら？
…ううん、そんなこと考えてられない。
「…リチャード。 」
「？どうした？」
「結婚しましょう。私たち。」
「…！？ど、どうしたんだい？急に…。」
リチャードは驚きながらも聞いてきた。
彼が私を好きでいてくれるなら、裏切るも何も無い…と信じたい。
「もう…私は逃げない。自分とのトラウマに決着を付けなければダメなの。愛を信じないとかもうどうでもいい。リチャードと婚約を結んで、この際身を固めなきゃいけない気がする。お父様がこのまま弱ってしまう前に、私はお父様に安心して欲しいの。だから…。」
「…いいよ。僕の気持ちとは関係なく、婚約したとしても君のそばにいれるなら。」
「…ごめんね、リチャード。私のわがままに付き合ってもらって。」
「いいよ、僕はリゼを好きでい続けると言った。それに嘘偽りはないから。」
そう言ってリチャードは私の頭にポンと頭をのせた。
ﾄﾞｸﾝｯ
…？なんだろうこの気持ち。私嬉しいと思ってる？
って、しっかりしないと。
「リチャード、お父様にこのこと伝えたいから一緒に来てくれる？」
「ああ、もちろん。」
私はドレスに着替えて、部屋に待たせていたリチャードと一緒にお父様の私室へ向かう。
皇帝宮に向かう途中、何故か皇宮にいるメイリ達を発見した。
「リゼ！！」
私の名を呼んでビアンカは私に抱きついてきた。
その抱きしめる強さに苦しくなってしまう。
…私こんなに心配させていたんだ。
「く、苦しい…ビアンカ。」
「ご、ごめん。」
「それに…神子様や大神官様…どうかされたんですか？」
「ウィンドル王子から話はお聞きしたとは思いますが、陛下のお身体の調子が悪いようだったので。それに…。」
「…？どうされました？」
大神官リアン様が言いづらそうに口を開いた。
「…皇女殿下にも用があったので。」
「用とは何でしょうか？」
「ここではなんですので、こちらへ。」
そう言って大神官様は私たちを部屋へ入らせた。
『残念ながら流産されました。』
…！どうして今こんな事を思い出してしまったんだろう。
「その…皇女殿下の身体を調べさせていただきました。…その、皇女殿下率直に言わせていただきますが、皇女殿下がこのまま皇后として立つには難しいと思われます。」
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作者名：有栖茶 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年1月15日 11時
