第6章 エピソード3 ページ26
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そして帰りのHRが終わると同時に、学院に大神官ティアラ様と、記憶の子であるリリアン様にディラン様、そしてフィー様、神子であるゼロス様がいらっしゃった。
…歌人宮にお通しするつもりだったのに、何があったの？
ティアラ様達は分かるにしても、ゼロス様までお見えになるなんて珍しいものだ。神子であるコレットはまだ学院を卒業していない。
卒業生であるゼロス様がお見えになるということは、それほど重大なことが起きてるの？
学院はお祭り騒ぎになっていた。
記憶の子と大神官様、そして神子が集まっているのだから。
窓から手を振って挨拶している女子生徒までいる。
ゼロス様…大人気なのね。
「リディアリゼさん、神子様皆様方がお呼びです。そして、SSクラスの皆さんにも重要な話もするらしいので、皆さんにも来てもらいたいようです。」
…私を呼ぶのは予想していた事だけれど、みんなも？
ということは、依頼していた”あの情報”がわかったのかな？
ローエン学院長がそう言い、私たちは学院長室に呼ばれた。
入るとすぐにゼロス様達の姿が見えた。
「お久しぶりですね、皇女殿下。2ヶ月ぶりくらいでしょうか？」
「はい、お久しぶりです。あと、皇宮にいる時言いそびれてしまったのですが、あの時は助けていただきありがとうございました。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。その原因も取り除けたようですし、私も嬉しいです。」
と挨拶を交わしたあと、真っ先にゼロス様が私の手を掴んで微笑みかけられた。
…な、なんだろう、この好意的な視線は…。
「祈りの歌人様、俺様はゼロス・ワイルダーと申します。今日はハニーのような美しいお方に会えて嬉しく思いま…。」
「それはいいので、要件をどうぞ。」
と、私が困っていたら、リチャードがそう言って自分の手を掴むゼロス様の手を掴んでどかせた。
…リチャード？
珍しい、私が困っていたとしても、こんな守ってくれることなんてなかったのに。
「…これはこれはウィンドル王子。俺様とハニーの間に入らないでいただけませんか？」
「リゼがいつ神子様のものになったのでしょう？それよりも、要件をどうぞ。皆がまだかと言った目で見てますよ。」
「へいへい、わかったよ。大神官、記憶の子、説明してやってくれ。」
「まずは、学院に領域が広がって、皇女殿下が祈りの唄を歌った時を覚えてますか？その時、貴族生徒が襲いにかかったとお聞きしました。」
「…ええ、その通りです。前に依頼したその情報が手に入ったんですね。」
「はい。その事件はおそらく、人操縦石が関連してるかもしれません。」
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作者名：有栖茶 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年1月15日 11時
