四日目 ページ5
「お昼、どっか食べに行きません？」
そんな言葉でふと我に返り冷静になって周りを見てみる。
皆ラフな格好ながらさり気なくお洒落に気を遣っているのが分かる服装をしていた。
一方こっちはどうだろう、パーカーに下はジャージ、そして髪の毛も整えていないから寝癖が付いている、女子として、否一人の人間としてどうなのだろうか、なんて考えていると虚しくなっていくから気にしない事にした。
『…少しだけ待っていただいていいですか』
「どしたん？ 忘れ物やったら俺が着いていくで！」
『いや、大丈夫です隣ですし…』
「……そっか！ 分かった早く帰ってきてな！」
坂田さんに背中を押されて名残惜しそうな笑顔と共に玄関まで見送られ戸惑いつつも靴を履いていると後ろから包み込まれる感覚がした。
後ろにいる人物は一人しかいないから誰かという事は瞬時に理解出来つつもいきなりの事で頭が追い付かなかった。
「なぁ、下の名前何て言うん」
『A…です』
肩に顔を乗せて喋るものだから耳元に吐息が当たってむず痒い気持ちになる。
「いい名前してるな……なぁA」
僕の名前を呼びながら抱き締める力は強まるのを感じた
『…何ですか坂田さん』
「早く帰ってきてな」
さっきと同じ言葉なのに丸で違うように聞こえるのは甘い声で囁いてくるからだろう、耳に当たる吐息に顔に熱が集まる。
『…分かってますよ、少しだけ待っててください』
少しだけ緩まる腕から抜け坂田さんの表情を見ると少しの不安が含まれた瞳が揺れていた
『坂田さんは寂しがり屋さんですね』
無意識に伸びた手は坂田さんの頭を撫でていた、本当に犬みたいで可愛い、坂田さんの顔は安心の色で染まっていた。
「ちゃうんや！ ちょっと心配なだけや！」
『心配性ですね、大丈夫ですよ可愛いですね、坂田さんは』
笑いながら坂田さんに返しそのまま部屋に向かった
***
「デレデレやね〜、どうしたんですか、いつも以上に犬みたいで気色悪いわ〜」
暫く玄関に居座っていたら不意に後ろから聞こえた特徴的な声に見られていた事からの羞恥心を隠しながら平然を装う。
「何の事か分からへんな、何や盗み見か?! 趣味悪いぞセンラ〜！」
「別に見たくて見た訳ちゃうよ、あんなイチャイチャ誰が見たい思うねんこっちまで恥ずかしなるわ」
「ええやろ！何かあの子見てたら守りたなんねん」
「くっさいなぁ…まぁ分からんでも無いけど」
「え？ 悪口の後何か言った？」
「…何でもあらへんよ」
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ちゃむら(プロフ) - 注意ありがとうございます気付かなかったです…！ (2018年3月29日 10時) (
レス) id: 27480095f6 (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為なので違反報告の対象になります (2018年3月29日 9時) (レス) id: cbd6b96090 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃむら | 作成日時：2018年3月29日 9時
