好き、嫌い、やっぱり大好き。1-① (ページ8)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:1,227 hit

第8話：夢主ページ8

「俺の同期に鬼殺の剣士を育てる轟木という育手がいる。」

冨岡さんから、育手の方を紹介して頂いた。

元柱と聞いたからきっと修行は大変なんだろうな、と考えながら、冨岡さんの話を聞いた。

「ここ、蝶屋敷から3㎞ほど走ると轟木の住んでいる流水屋敷に着く。」

冨岡さんがそう言うと、隣から笑い声が聞こえた。隣を見るとしのぶさんが口を押さえて笑っていた。

「りゅ、流水屋敷って、ネーミングセンス無さすぎっ、じゃないですか。」

「俺の屋敷と名前が被るからな。」

まだ笑っているしのぶさんはスルーして話を進めた。

笑いすぎて息止まらないかな、心のなかで心配した。

「冨岡さん、もしかして、流水屋敷まで走っていくんですか？」

「ああ、ついてこい。俺についてこられるなら、轟木のところに連れていってやる。」

「ええっ...。3㎞...？」

「こんなの序の口だ。どんなに苦しい修行も受けると言ったのは誰だ。」

「はい、私です！私、走ります！」

「よし。」

いくぞ。と言おうとした冨岡さんにお願いして、しのぶさんたちにあいさつする時間をもらった。

「しのぶさん、アオイさん、きよちゃん、すみちゃん、なほちゃん。短い間だったけれどありがとうございました！」

「また、帰ってきてね。ゆめさん。」

「待っていますので。」

「ゆめ様あ。がんばってくださいねえ！」

「はい！いってきます！」

私は冨岡さんに着いて走っていった。

どんなに苦しい修行があっても耐えないと。そんな気持ちで2日間お世話になった蝶屋敷を出て、冨岡さんの後ろを走り出した。