好き、嫌い、やっぱり大好き。1-① (ページ7)

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第7話：冨岡ページ7

「胡蝶、怪我をしてしまった。包帯をくれないか。」

「あら、冨岡さんいらっしゃい。はい、包帯です。ですが、珍しいですね。冨岡さんが怪我をするなんて～。」

胡蝶は、なれた手つきで俺に包帯を巻いてくれた。

「しのぶさん、誰か来たんですか？」

胡蝶の後ろから小さな少女が顔をのぞかせた。

小柄な胡蝶よりもだいぶ小さい。身長は140ないくらいだろうか。

俺は、その少女に見覚えがあった。

「お前は...。この間の少女だな。」

「冨岡さん、この子とお知り合いですか？」

「ああ。」

俺は胡蝶ではなく、少女と会話したいのだが...。

「あのっ、あなたは私を助けてくれた人、ですか？」

少女は、胡蝶の後ろから出てきて俺の前に来た。

「俺は冨岡義勇だ。俺はお前の両親を助けられなかった。お前にも怪我を負わせてしまった。すまない。俺を怒ってくれないか。」

少女の首には包帯が巻かれている。俺は申し訳なくなり、少女に謝罪した。

「そんなっ、怒るなんてことしません！だって冨岡さんは私を助けてくれたじゃないですか。感謝してます。ありがとうございます。」

予想外の反応だった。少女はお礼を言ってくれたのだ。おまけに俺のような鬼殺隊になりたいというのだ。

「私、暁(あかつき)ゆめっていいます。冨岡さん、私、鬼殺隊になりたいです。冨岡さんみたいに、人を助けたいです！」

「そうか。簡単に呼吸は使えない。どんなに苦しい修行があっても我慢できるか？」

少女、いやゆめは、考える暇もなく「はい！」と返事をした。