死神の時間 後編 ページ2
モニターに映るのは大きな犬に変装した殺せんせーとそのリードを引く烏間先生
「参ったな…かなり予定が狂ってしまった。」
「殺せんせーと烏間先生！」
「殺せんせーブラジル行ってたんじゃ…！」
皆も嬉しそうに声をあげる
「仕方ない、プラン16だ。」
「…ふっ、私の出番ね」
プラン16…
一体どれほどの数のプランを用意していたのだろうか
・
生徒達の時と同様に、死神は殺せんせーと烏間が乗り込んだのを確認すると、部屋ごと下に落とした
そして明るく二人に声をかける
「…イリーナ先生まで。」
「お前が首謀者か？」
「聞いたことはあるかい？”死神”の名を。」
「ロヴロから聞いている。」
殺せんせーの顔が強ばる
烏間はこの男と面識があったようで、驚きを隠せない
「アレはわざと生かしておいたんだ。商売敵たちに手を引いてもらうには、彼の口から広めてもらうのがいい。なあ、そろそろ銃を下してくれないか？それとも味方を撃つ気かい？」
笑顔を貼り付けたまま、死神はイリーナを二人の前に突き飛ばす
烏間が直ぐにイリーナに駆け寄る
「彼女と生徒全員の首に爆弾を仕掛けた。僕の合図一つで爆破できる。」
「…人質で脅せば、私が素直に死ぬとでも？」
「さあ？どうだろうね。」
余裕そうに言う死神
イリーナの裏切りは念頭にあったが、自身を狙う気配が無く、殺せんせーは警戒できなかった
自身の触手が撃ち抜かれる
「イリっ…本当にッ…！」
「ふふ」
イリーナがにやりと笑い、何かのスイッチを押した
その瞬間に殺せんせーの立っていた床が開き、突如として落とし穴が出現する
殺せんせーとはいえどこかに捕まらずには飛ぶことは出来ない
落ちていく中で触手を伸ばすが、それを正確に撃って弾く死神
死神の凄まじい動体視力によって普通なら暗殺に組み込んでも機能しない落とし穴が、成功してしまった
「あっけなかったな。人質を使うまでも無かった。」
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作者名：夜爪 | 作者ホームページ：
作成日時：2021年12月1日 15時
