【ハイキュー】マネージャーと書いて苦労人と読む

苦労2個目 ページ4

その日の昼休み。

授業が終わってすぐ、｢ノヤっさん坂ノ下行こうぜー！！｣とうちのクラスに突撃してきた坊主頭…もとい田中から｢定例会すっから北野も来いよ！｣と言われ、普段一緒にお昼を食べている友人達に断って教室を出た。

定例会なんてちょっと威厳のある言い方をしているけれど、実際はバレー部2年で集まってご飯食べながら駄弁ってるだけだ。集合がかかるのも不定期だし、もはや定例会ではないね。


というか田中と西谷がジャンボ焼きそばパン？の争奪戦？だとか叫んで出てったけど大丈夫かな。烏養くんに愚痴聞かされるの私なんだけどな。坂ノ下の店番が別の人であることを願おう。


失礼しますの挨拶もそこそこに、｢2-1｣と表示された教室へ足を踏み入れる。昼休みで先生いないから言わなくても問題はないんだけど。

ベランダ際にある田中の席の周りには、既に縁下・木下・成田の3人が揃っていた。


｢お、北野｣

｢えっ北野もう来たの？｣


……。

言ってから｢アッ｣みたいな顔になる成田。辺りに微妙な空気が流れた。

…みんな気づいたかな、北野もう来たの ってこれ地味にダジャレなんだよね、いやくだらないよねすっげえくだらないよね私もそう思う

もちろん成田も狙って言ったわけじゃないだろう。こいつはそういうことする奴じゃない。分かってるんだけどなんか…あの…気まずいな？？


縁下は微妙な空気を察したっぽいけど、木下はまだ理解できていないらしく怪訝そうに首を傾げている。うん。とりあえず話題を変えよう。


『あっ、朝練ぶりだねみんな！午後の授業も頑張ろう！』

｢どうしたお前キャラ違うぞ｣

『成田が無意識につくったこの気まずい空気どうにかしようとしたんだよ察してよ』

｢落ち着け北野、それ言ったらフォローの意味ないから！｣

｢あの寒いシャレのこと？別にそこまで気まずくなかったよな？｣

｢もうやめてくれ…｣


成田のメンタルが傷つきそうだったので、この話題は縁下によって強制終了させられた。

｢頑張ろう！って言った時の北野思い出すとなんか寒気する｣という木下の発言で私のメンタルはズタボロになったんだけどね。


｢あー…えっと…ごめんな、あとフォローありがとう｣

『なんなんお前良い奴かよ…』

｢良い奴だろ｣

『知ってる』

｢えっ、え、えっ？｣

｢大丈夫だ成田、お前は褒められている｣


*

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