【ハイキュー】マネージャーと書いて苦労人と読む

苦労23個目 ページ26

後から合流した旭さん(優しさの権化)に労ってもらっていると、体育館の方から今はあまり聞きたくない声が聞こえた。


｢｢ヘイ！1年ガール、ヘイ！！｣｣


どうやら私に心休める時間は訪れないらしい。

絶対あいつらだよな…1年ガールって仁花ちゃんのことだよなぁ…


『すいません、ちょっと先行きますね』

｢おっ2年の保護者出動か！｣

『保護者言わんでください』


スガさんが茶化すように言った言葉をすぐさま否定し、駆け足で声のする方に向かう。


｢君、是非烏野バレー部に入ってくれたまえよ｣

｢君がいると潔子さんがよくしゃべる｣

『待った待った、それ勧誘の方向性間違ってるから！！』

｢！北野…｣


反射的にデカい声でつっこんでしまった。いやだって、仮にもこっちは部活に入ってくれってお願いする立場なのに、さすがにあれは無いでしょ！？なんだこいつら馬鹿か、…ああ馬鹿だ。

けれど、こちらを振り向いた2人の縋るような目を見ると叱るに叱れなくなってしまった。あーなるほど、女の私に頼らず自分達で頑張って勧誘しようとした結果がこれなのか。

ただちょっと考えが足りなかったね。足りなかったっていうか、もはやテンパってよく考えないまま欲望ぶちまけてたよね


『まあその努力と勇気は認めよう』

｢何様だよくそぉ…｣

『仁花ちゃんうちのバカがごめん、大丈夫？』

｢ほあっだっ大丈夫です！！｣

『そう？なんかあったら遠慮しないで言ってね、極力何もないように守るけど…男子ばっかりだから女の子への配慮が全然でさ』

｢いえそんなおかまいなくｯｯ｣


う〜むなんかまだ仁花ちゃん私に対しても挙動不審だな。怖がられてるんかな。ハッもしやさっき部活でバカ2人にキレてたからそれ見て引かれた…？

やばいこれから気をつけよ。もっとThe･優しい先輩って感じの人になろう。

1人反省会をしながら仁花ちゃんの頭を撫でてみる。The･優しい先輩ってなんとなく頭撫でてくれそうなイメージあるからね！(偏見)

仁花ちゃんは数秒固まった後に可愛い変な声をあげて慌てていた。ちょっと赤くなっててかわいかった。てか頭ちっさ…髪サラサラ…


小声で｢俺らの時と態度違いすぎねえ？｣｢もっと優しくして欲しいもんだぜ｣とか言ってる坊主とちょんまげチビは放っておくことにする。


あと撫でられている仁花ちゃんを日向くんが若干羨ましそうに見ていたのが可愛かった。今度機会があったら撫でてあげようかな…


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