苦労8個目 ページ11
その日の部活後。
校門のそばで、スマホをいじりながら潔子先輩を待つ。もう結構暗い上に空が曇ってるから、画面すごい眩しい…
なんで待ってるのか？だって帰る時1人じゃ危ないでしょ。潔子先輩が。変質者に襲われないようにです。潔子先輩が。よく途中まで一緒に帰ってるんだ。あっSOMYの新型ヘッドホン販売開始してる
｢僕それ持ってますよ｣
『う をおぉ！？』
｢声やば｣
少し遅れて｢…いですね｣と敬語を付け足す憎たらしい声の主は、長身メガネの後輩だった。
『つっきしまくんか…びっくりさせないで…』
｢あれ、新しい色出てたんだ｣
『無視？？』
｢ちゃんと聞いてます。あとつっきしまじゃなくて月島なので｣
『ご ごめん、動揺して正確に言えなかったんだよ』
にしても月島くんは人の間違いによく気づくなぁ。そして揚げ足を取る。ひねくれてんのかな。ああひねくれてたわ。
｢…なんですかその目は｣
『なんでもない。ていうか山口くんは？』
｢別に四六時中一緒にいるわけじゃないんですけど…。部室に忘れ物取りに行ってます｣
『なるほど』
つまり山口くんを待ってるのか。月島くんてそういうのほっといて帰りそうなのにね。これは新しい発見かもしれない。
『月島くんが持ってるのってどれ？』
｢これです｣
そう言いながら月島くんは、私のスマホ画面に映し出されている SOMYの新しいヘッドホンを指さした。
『ホワイトかぁ、かっこいいけど汚れ目立ちそうだね』
｢汚すこと前提なんですね｣
『そうじゃないけど… うーん、私はやっぱロイヤルブルーのが好きかな。綺麗だし』
｢いいんじゃないですか？｣
『え、』
いつになくやわらかい口調で肯定され、咄嗟に聞き返してしまった。
｢似合うと思いますよ｣
ざぁっと風が吹く。月島くんの頭上で、いつの間に雲から顔を出したのか 白い三日月が光っていた。
それとどこか似た輝きを放つ彼の瞳から、なぜか目が離せなくて。月島くんの目って色素が薄いんだ、金色っぽくて綺麗だなー… とぼんやり思う。
吸い込まれそうな瞳、なんてよくある比喩だけど。ずっと見ていたら本当に吸い込まれそうだった。
『おお、月島くんにしては珍しい。ありがとう』
｢北野先輩は僕のこと何だと思ってるんですかね…｣
『大切な後輩かな』
｢、そうですか｣
『…お？照れた？照れてる？ツッキーの貴重なデレがまさかここで〜？？』
｢……｣
『それ絶対先輩に向けちゃいけない顔だよ』
*
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はる - めっちゃ面白いですw続きを楽しみにしています‼ (2月22日 14時) (
レス) @page30 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
りんご飴(プロフ) - プロローグからめっちゃ面白いですw続きを全裸待機で！ (2020年8月24日 9時) (レス) id: fe97dfb093 (このIDを非表示/違反報告)
恋雪 - めっちゃ面白いです…… (2019年11月26日 22時) (レス) id: 147542d804 (このIDを非表示/違反報告)
苺タルト - 更新最近してないですけど大丈夫ですかー？体には気を付けてくださいねー(´･_･`) (2018年12月3日 1時) (レス) id: 782a4554d3 (このIDを非表示/違反報告)
大葉(プロフ) - 美姫さん» ありがとうございます、そう言っていただけるとめちゃくちゃやる気が出ます！西谷の話とツンデレ川さんの話は自分でも結構気に入ってるので嬉しいです！東京遠征編は長くなりそうですが頑張ります…！ (2018年8月12日 19時) (レス) id: cb43f523a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：来栖柑奈 | 作成日時：2018年4月12日 0時
