君の目線の先には【西谷夕】

♯９ ページ10

月島side


｢そうですか？ってどういう…｣








月｢僕は片山先輩は優しいと思います。いつも部員のことよく見てて自分のことなんか後回しにして｣






考える間もなく言葉がすらすらと出てくる






月｢西谷さんのことは知らない。でも僕は片山先輩が1番優しくて…それで…









.








1番かわいいと思います｣







｢なに冗談言っ… 月｢冗談なんかじゃない！｣｣






(ギュッ)









｢ちょっ、何して…｣






いっそ言ってしまおうか───────
伝えるつもりのなかった僕の想いを







.






最初は好きになるなんて思いもしなかった
“うるさくてにぎやかな先輩”としか思っていなかった





それでも先輩の笑顔を見るたび、優しさを知るたび、どんどん先輩に夢中になっていく自分がいて









そのとき気づいた、僕はこの人が好きなんだ、と









.





月｢片山先輩が西谷さんのことしか見てないのなんか知ってます｣







先輩に対する思いを自覚したと同時に先輩の西谷さんに対する思いも知った






最初から負けが決まってる恋なんかしたくなかった
だから諦めようとした





でも自分で思っていた以上に先輩への思いは大きくて諦めるなんてできなかった







月｢でも、それでも僕は片山先輩が好きです｣









｢月島、ごめん、私…｣






やっぱり、振られた…か







月｢答えは分かってる。だからまだ付き合ってくれとは言いません。でもいつか必ず振り向かせます｣






こんなの言ったら困らせるだけなのに言ってしまう








｢ありがとう(ニコッ)｣





先輩にとっては迷惑な思いしかぶつけていないのに、僕のことなんか好きじゃないくせに、その顔は…







月｢…それ反則(ボソッ)｣





｢え？今なんか言っ 月｢上見なくていいから！｣｣






絶対に今顔赤い…








キーンコーンカーンコーン







｢あ、チャイムなった！｣





(グイッ)





こうやって無意識にて引っ張られると我慢出来ないのに先輩はそんなことお構い無しだ





｢ありがとう！もう大丈夫！ほら早く！2時間目はさすがに受けよう？(笑)｣




でも少しは元気になったみたいで、先輩の笑顔が見れてよかった






.







───────先輩がいつか僕に振り向いてくれる日は来ないのかな

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