君の目線の先には【西谷夕】

♯１４ ページ15

『告白したら、代わりでもいいって言ったら付き合えるかも』


少しでも関係が変わるかな？
と、少しの望みをかけて言ってみたけど西谷の表情は曇る一方で…


それなら───────



｢私が西谷のこと好きなんてあるわけないじゃん、そりゃ、友達としては好きだけど！｣



振られても傍に居たい
そう思って告白をなかったことにするなんて相手に失礼にも程があるのは重々承知だ




西｢お前なぁ…言っていい冗談と悪い冗談が…｣



でも呆れながらも少しほっとした西谷の顔を見ると、私の決断は間違ってない
そう思えた





｢でも、これで分かったでしょ？西谷の気持ちを清水先輩は迷惑になんて思わないよ。だから頑張れ｣




嘘ってバレてないかな
泣きそうになってるの気づかれないかな

そんな不安が頭をよぎる





でも西谷と気まずくなりたくない





西｢ありがとな！というかお前、それだけのために嘘で告白したのかよ？もし俺が付き合うって言ってたらどうしてたんだ？｣




｢(本気で告白したんだからもちろんそれなら付き合ってたよ)

西谷は好きじゃない子と付き合うような人じゃないでしょ？でももしOK貰えてたら…んー、付き合ってみてもよかったかもねw｣



嘘がどんどん積み重なっていく




西｢友達だと思ってた奴から告られたら返事に困るんだからこんなことはもうやめろよ？付き合うなら俺なんかよりちゃんと好きなやつと付き合えよ！｣



やっぱり私からの告白は困ったんだ…
分かってても西谷の口から改めて聞いちゃうとショックだなぁ




｢はいはーい、ごめんなさーい｣





｢じゃ、私こっちだから！西谷！困った時はいつでも話聞いてあげるから遠慮なく言って！｣



西｢ありがとな！そうさせてもらう！じゃあまた明日な！！｣


そう言い私に背を向けて歩いていく西谷





｢…俺なんかってなによ、私は西谷だから好きなのに(ボソッ)｣


だんだん遠くなるその背中に向けた言葉と同時に私の頬からは涙が一粒、二粒と流れ始めた

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