君の目線の先には【西谷夕】

♯１２ ページ13

西｢Aー！早く！！！帰るぞー！｣



西谷、もう帰る準備できたの？！
今日はやけに行動がはやい…



｢あ、ごめんっ！もうちょっと待って、急いで帰る準備するから｣



西｢冗談冗談(笑)そんな焦らなくてもゆっくりでいいって(ニカッ)｣




｢///…ありがとう｣




この笑顔ほんと好き。
でもこんな叶わない思いしてる自分は嫌になる





｢お待たせ！帰ろ！｣



西｢おう！｣




｢今日はやけに準備早かったね｣




西｢そうか？w …いやー、まあ………｣




急に真剣な顔をする西谷
どうしたんだろうか



｢ん？どうしたの？｣




西｢いや、なんでもない｣




｢そっか｣



清水先輩のことかな
いや、でも西谷は私が西谷の好きな人知ってるってこと知らないし…



.









｢｢……………｣｣





…なに、この沈黙
いつもはなんでこんな毎日話題が絶えないんだろって思うくらい話しかけてくるのに





隣にいる西谷は、なにか決断したように顔を上げては、また顔をしかめる
そんなことを繰り返していた





｢どうし 西｢あのさ｣｣




どうしたの？と聞こうとした私の声は西谷によって遮られた





｢なに？｣



(ドクッドクッ)



…なんか嫌な予感がする
でもこんな予感、当たりたくない





西｢もし…自分の好きな人が他の誰かを好きだったらどうする？｣





…！嫌な予感って言うのは的中するものだ





｢急にどうしてそんなこと？｣




───理由なんか聞かなくても分かってる
分かっているのに、自分にとって辛い答えしか返ってこないのなんか分かってるのに聞いてしまう





西｢いや…俺好きな人がいてさ｣




…知ってるよ、清水先輩でしょ？




西｢告白したんだけど、その人には好きな人がいるらしくて振られちゃって｣




…それも知ってる、見てたもん





西｢最初は振られたら諦めよう、って決めてたのに、いざ自分の想いを伝えたらやっぱり諦められなくて｣




…“諦めませんから”って言ってたもんね




西｢でも後から冷静になって考えてみたら、振られたのにずっと好きでいるのも相手に迷惑かなって思って…だからお前なら、ほかの人ならどうするかなって｣




───────失恋確定…か
西谷は恋愛相談の相手に選ぶくらい私のことは恋愛対象として見てないんだね





｢そっか…。私ならどうするかな…｣





───────私なら…

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