君の目線の先には【西谷夕】

♯１１ ページ12

ぼーっとしている時の授業はあっという間で
部活の時間になった




ふとした時に西谷の方を見てしまう
でも西谷の目線の先にいるのはいつだって1人だった







───────清水先輩…





清水先輩がいい人なのは分かる
1年間部活を一緒にしてきて十分分かっている





でも西谷の気持ちに応えられないくせに西谷の気持ちをひとりじめするなんかずるい、と思ってしまう自分がいる



ほんと嫌になる…




｢はぁ…｣







月｢まーた、変な顔になってますよー？｣




(ビクッ)

え、こいつどっから現れたの…




｢なんでいっつも急に現れるの？！ていうかなんで今日部活遅れたの？｣




そういえば私、この人に告白されたんだっけ


告白なんて普段されないからちょっと照れるというか恥ずかしいよなぁ…




月｢そんなことどうでもいいじゃないですか、というか変な顔になっててもいいんでドリンクください｣




前言撤回！！！！！！
ほんとこいつ口悪い、今日のことが嘘みたいだ


というかあれは冗談だったのか…？





｢うるさいなー、変な顔ですみませんねー｣






月｢いいえ…山｢ツッキー！！！！！！｣ うるさい山口、なに｣




山口くんってほんとに月島のこと好きだなぁ(笑)





山｢聞きそびれてたんだけど、なんで今日の1時間目いなかったの？先生めんどくさいからこの時だけはサボらないとか言ってたじゃん｣




え…
確か1時間目は自習とか言ってなかったっけ？




｢山口くん、それほん…月｢うるさい、僕そんなこと言った覚えない｣｣





そう言って1人で顔を洗いに行った月島





もしかして、嘘をついてまで私を想ってわざわざ1時間もそばに居てくれたのだろうか




普段は意地悪でそんなこと絶対しないくせに
───────その優しさはずるいなぁ…






｢山口くん、さっき言ってた先生ってそんなめんどくさいの？？｣





山｢んー、サボったら課題増えたり呼び出されたり、みたいな？今日ツッキーが部活遅れたのはその先生からの呼び出しのせいですよ｣





｢そうだったんだ…教えてくれてありがとう｣





ほんと悪いことしたな
でもその月島の不器用な優しさが今の私の心にはとても染みる








───────月島、ごめんね、ありがとう

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