【ハイキュー!!】君と描くキャンバス【夜久衛輔】

Campus 71 ページ26

『引っ越す、方を選ぶ』




思わず目をそらしてしまう。



答えになってない。どうしたいの？に対する答えじゃない。




夜「…………そっか」




だって本当は、引っ越したくない。

引っ越したら数年は戻ってこれない。もしかしたら数十年かもしれない。


夜久君に、みんなに会えなくなるなんて嫌だ。




それにマネージャーの仕事を放って海外に行くなんて、無責任だ。







最後までやり遂げたい。




だけど、この機会を逃したたら……



どうしたらいいのか、自分がどうしたいのか分からない。



お父さんやお母さんには迷惑をかけたくないって気持ちと、みんなと一緒にいたいって気持ちが私を苦しめる。









ガサッ……




突然の音に驚いて音がした方を見る。




クロと……排球部のみんなだった。それからめぐちゃんも。


『な、なんでここにいるの？』



海「黒尾に呼び出された」


孤「家に着くってところで呼び出された」


犬「遊んでたらいきなり連絡きて、ここに来いって」


『(クロは相変わらずだな…)』




め「ねぇ、Aちゃん。引っ越すって、本当なの？」



『……うん』


め「それって、もう決まったの？」


決まってはいないけれど、今まで引っ越すってなったときも、私に気持ちを確認させてはいたけど強制だった。



東京に来たのだって会いに行きやすくするため。



逆らえなかった。怖いとかそんなんじゃない。ただ迷惑かけたくないだけ。



『ううん。お父さんには考えさせてって言ったけど……でも、引っ越すって決まっているようなものだから』




め「なにそれ」



めぐちゃんの声が低くなる。





『………めぐちゃんには言ってなかったね。私の親は仕事の都合で海外に住んでいるの。滅多に帰ってこなくて、たまに帰ってきてもすぐ行っちゃうし。だから、きっと寂しくないようにって今回の件を持ちかけたんだと思う』



め「…ごめん」


『謝らないで』




優しく微笑む。

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