【ハイキュー!!】君と描くキャンバス【夜久衛輔】

Campus 70 ページ25

言わなくちゃ。




『夜久君、本当は後で伝えようと思ってたこと今言うね』



夜久君は真っ直ぐ私の目を見てくれた。


だから私も、それに応えるように目を見る。




『……もう、夜久君と会うことはできなくなる』









まるで、時間が止まったかのような静寂が訪れる。

ひんやりと冷たい風が私たちの間を駆け抜けてゆく。






夜「……な、なんで」




夜久君の驚いた声が、悲しそうな声が耳に響く。




『……合宿の夜、お父さんから電話があったの』





仕事で海外にいる父は、なかなか家に帰ってこない。


電話もたまにかかってくるだけ。



そんな父からの電話は、私の心をかき乱した。





『こっち(海外)に来ないかって』






要するに引っ越すということで、高校3年の5月という中途半端な時に転校。


せめて卒業するまでは待って欲しいと伝えたんだけど、この時期じゃないとどうしても駄目みたい。


考えさせてほしいと言って電話は終わった。




『私が寂しかったのずっと分かっていたみたい。だからこっちに来れば寂しくないって……』




会えるんだ。大好きなお父さんとお母さんに。

家族と過ごせる、最初で最後のチャンス。




これを逃したら、私は暫くの間お父さんに、お母さんに会えない。


今以上に忙しくなるらしく、なんとか会いにこれたのがなくなるから…これ以上寂しい思いをさせないようにって。

だから家族みんなで住もうっていう提案。




お父さんとお母さんと一緒に住めるなんて、こんなチャンスもうないんだと思う。






でも……




夜「羽鳥はどうしたいの？」







私は……

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