【ハイキュー!!】君と描くキャンバス【夜久衛輔】

Campus 61 ページ16

午前の授業が終わり、ぞろぞろと帰り出す生徒たち。


お弁当を……そうだ、今日は午前で授業は終わりだから昼食は各自でとるってことになってたんだ。

普段のAなら人の話を聞き、それを忘れることなんてなかった。



『(ダメだなあ…)』


ため息が出そうになる。無意識って怖い。




その様子を見ていた小坂めぐが後ろから抱きつく。


め「Aちゃん！」



『わわっ……めぐちゃん、どうしたの？』



め「Aちゃん、今日元気ない？」


心配そうに顔を覗きこむめぐちゃん。


『いつもと一緒だよ』




Aはふわりと微笑む。




『(…顔に出てたのかな)』



心配はかけたくない。人に甘えるのはやっぱり苦手だ。


自分の事で悩まれると、物凄く悪い事をした気持ちになるから。


め「このあとどっか行かない？」


めぐちゃんとは、前から出かけてみたいと思っていた。



でも、マネージャーがあるからいつも申し訳ない気持ちで断っていた。



今日は、クロと孤爪君と一緒に買い出しに行く約束がある。



『ごめんね…今日は用事があって』


本当に申し訳なくて謝る。



め「いいよいいよ！…今度Aちゃんと遊びに行きたいなぁ。携帯持ってないんだっけ？」


『持ってるよ』


め「え！？…あ、買ったんだね！良かったら交換しない？」


『うん…めぐちゃんなら』



めぐちゃんとは高校に入って初めての友達。

めぐちゃんは、いつも笑顔で話しかけてくれた。
3年間同じクラスで、共に行動することもあり彼女の性格は大体分かる。

少し信頼している。


め「ありがとう！ほかの人には教えないから大丈夫よ！」



小坂めぐ




新たに電話帳に登録された。この学校の女子で初めてだ。

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