【ハイキュー!!】君との時間【夜久衛輔】

Memoly 27 ページ28

私の親は、仕事が忙しくて滅多に帰ってこない。


「ごめんね」「すまない」そうふたりして謝ってくるけど、そんな言葉がほしいんじゃない。



ただ「ただいま」って、「おかえり」ってそんなやりとりがしたいの。


欲を言えば、一緒にご飯食べて、夜遅くまで今まであったこととか話したい。
「学校の友達がね」「それでね」って。

もっと我儘を言うと、おでかけしたい。ちょっと遠くの隣町とか。
「あの服可愛いね！」「このケーキ美味しそう」って。





それも、もう、叶わないのかな…





久しぶりに感じた、人の温かさ。優しさ。

寂しかった私の心に、ゆっくりと広がっていくような懐かしくて優しい感覚。



人と関われば関わるほど、家に帰った時に虚しくなる、悲しくなる。

みんなは、家族と一緒にいるのか。


なのに私はひとりでご飯食べて寝るのか…





そう考えて過ごすのは、あまりにも悲しすぎる。


だから、何か打ち込めることがほしかった。

家に帰っても、「楽しかった」と胸が満たされれば寂しくなんかないって。




でも、夜久君とこうしてご飯を食べて、こんな贅沢してもいいのかな？という気持ちもでてきてしまう。




この時間が終わって、話をしたら、夜久君は家に帰ってしまう。





わかっている、当たり前のことなのに。






胸が、ズキンとなった。苦しくなった。







この気持ちってなんなのだろう。

Memoly 28→←Memoly 26

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す