ハイキュー!!【短編集】 (ページ12)

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堕･落☆宮侑ページ12

「……んっ……んんー…」

目の前には、ニヤニヤ笑いながら強引に口付けている私の嫌いな男…宮侑がいる

足をジタバタさせ、早くここから逃げたい私

でも、その足も侑の脚によって自由を奪われてしまう

ここは、体育倉庫の中

片手で私の両手を頭の上の壁に縫い付け

もう片方の手は私の顎をガッチリ押さえ付けているというこの状況

「んんー…んんっ！」

と抗議しようと言葉にならない声を出すも、侑はお構い無しに唇を重ね続ける

やっと離された唇

私は、間近にあるコイツの顔を睨みつける

「アホ！サイテー！死ね！変態！」

侑「ほんま、気ぃ強なーAちゃんは…」

「うるさい！離せ！」

侑「さっきオレのこと見とったし、少しは興味もってくれたと思ったんやけど…」

「はぁ？違うし！」

たまたま通りかかった体育館で、1人、トス練をしていた侑の姿が目に入った

いっつも、ちょっかい出してくる侑とは別人のようで確かに少し見入っていたことは認めなくもない

ただ、興味をもったわけじゃ……ない

なのに、わざとなのか何なのかボールがこちらに転がってきたから、それを取ろうと少し屈んで腕を伸ばした時には…既に遅かった

伸ばした腕は侑に掴まれ、振りほどこうにも男の力に適うわけもなく強引に体育倉庫内に連れ込まれたのだった

侑「まぁ、ええわ」

「よくない…離して」

顎を押さえ付けていた手からは解放され、少し安堵した私

侑は、その手でポケットから飴を取り出し器用に包みを剥がしながら自分の口に転がし始めた

その一連の動作を見せ付けられた私に、この男が口を開く

侑「ん？飴ちゃん欲しいんか？」

「はっ？いらん……っ…

コロッと、

口を開きかけた私の口の中に、舌先に乗せた飴を押し入れた侑

瞬間、お互いの舌先が微かに触れて私はその場に固まってしまった

侑「美味いやろ？」

侑は、そんな私には気にも止めず、ニヤリと笑って私を解放し倉庫内から出ていった

飴の甘さが口の中に広がり、一瞬忘れかけていた今の出来事

ハッと我に返り、ペッと飴を吐き出す

「不味っ…」

足元に転がった飴をじっと見つめる私

そのままにしとくことも出来ず、ティッシュに包んで飴を拾うと体育倉庫から駆け出した

真っ赤な顔をし駆け出して行くAを横目に見ながら、トス練をしている侑

侑「もう少し…やね」

また、ニヤリ笑った

終わり