告白☆国見英 ページ1
「国見くん、好き…です。付き合ってください。」
私は国見くんが好きだ
まさか、そんな好きな人が告白されている現場を目撃してしまうとは…
ゴミ捨てをする為、両手に大きなゴミ袋を持ったまま渡り廊下の影に隠れ、その様子を窺っていた
国「ごめん。」
女子「…そっか、こっちこそごめんね。」
女の子は、赤い顔をしながら泣きそうな表情で走り去っていった
私は、見てしまった罪悪感からかこの場から動けずにいる
それよりも、国見くんが告白されていてモヤモヤして胸が苦しかった
あの子は、勇気をだして気持ちを伝えた
なのに私は、、
国「……盗み聞き?…」
「っ!」
いろんなことを考えていた私は、びっくりして振り返ると、こちらに向かって歩いてくる国見くんと目が合った
「いや…その……、ごめんなさい」
国「別にいいけど」
それ以上、会話が進まない
「じゃあ…行くね」
気まずくなった私は、逃げるように歩き出すとフッと右手が軽くなり見ると大きなゴミ袋が国見くんに奪われていた
国「あんた、今日ゴミ当番だったっけ?」
「違う…けど」
国「………」
国見くんは、無言のままゴミ捨て場へと歩いていく
「あっ…ありがとう」
後を追うように、私も歩いていく
ドサッと、ゴミを投げ入れた国見くんが何か言いたそうに私を見ていた
「な…なに?」
国「………ば…いいのに…」
「えっ?」
うまく聞き取れずに聞き返してしまう
国「言いたいこと…」
「あっ、手伝ってくれてありがとう」
国「はぁ?」
「えっ?だって…手伝ってくれた…から…」
国見くんが何を言おうとしてるのか分からなくて戸惑っていると、両手をズボンのポケットに入れた国見くんがこちらに近付いてくる
恥ずかしくなった私は俯き、目の前に立った国見くんが腰を屈めて私の顔を覗き込む
国「あんた…は?」
「えっ?」
国「……言わなきゃ伝わらないよ?」
「……うん」
国見くんは、私が言葉で伝えるということが苦手なのを知っているんだろう…
だから、ゴミ捨てなどを押し付けられたり面倒事を頼まれたりするのを断れない…
そんな私に勇気を出せと、励ましてくれているのかもしれない
「…うん、頑張って…みる」
国「…えっ?うん」
「ありがとう!国見くん」
ニコッと微笑んで、その場を離れようとした
国「あんた、鈍感」
続く
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作者名:おちゃこ | 作成日時:2019年9月20日 23時