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『・・・結局、私のお気に入りはいちごだったな。』
最終日の夜。就寝時間が近づいてきて、私はお気に入りのいちごミルクを買って、部屋に戻ろうとした。
『あ・・・信介くんだ。』
時間も遅いのに、一人で勉強をしている信介くんの姿が見えた。
「・・・ん、A。ここ、座るか？」
私に気づいた信介くんにそう言われ、信介くんが勉強している隣の席に邪魔にならないように座った。
合宿中だろうと勉強することを怠らない信介くん。そういうところもやっぱり昔から変わらない。
『・・・思い出した。去年、信介くんが稲荷崎に来いって言ってくれたとき、すごく救われた気持ちになったの。』
ぽろっと前のことが口から零れる。
「・・・そうか。そんときのA、不安そうやったからな。Aがこっちに来ることになって、ほんま嬉しかったわ。」
『信介くん・・・。』
転校してから、信介くんは一番近くで私のことを気にかけていていた。信介くんのおかげで、今まで稲荷崎で頑張ってこれたんだ。
「Aがチームのマネージャーになったときな。部員みんな、喜んどった。」
『・・・それは、知らなかったなあ。私を稲荷崎の一員にしてくれた信介くんに、感謝しなきゃだね。』
「なんや改まって。音駒に戻るなんて、最初から嘘なんやろ。」
・・・やっぱり、信介くんにはバレちゃってたか。
『うん・・・ごめん、嘘ついた。怒らないで欲しいんだけど、信介くんがいてくれたおかげだよ。前も今も、稲荷崎に居場所をくれて、ありがとう。』
そう言うと信介くんは薄く笑って、開いていた参考書を閉じた。
「まったく・・・でも、安心したわ。もう時間遅いし、はよ部屋戻れ。まだ帰りの準備できとらんやろ。」
『・・・ふふ、何でもお見通しだなあ。じゃあ、先に戻ってるね。』
今まで、たくさん心配をかけてごめんなさい。ずっと、信介くんが私の心の支えだったんだ。
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水無月のぞみ - 私的には音駒か梟谷に行って欲しかった！ (12月1日 16時) (
レス) id: ba8b16685c (このIDを非表示/違反報告)
クリームうんちょ - すごく心残りがないお話でスッキリしました！！！！！お疲れ様です！！良い作品でした！！ (2022年1月5日 15時) (レス) @page31 id: 64d596bd65 (このIDを非表示/違反報告)
inno - 完結おめでとうございます (2020年6月20日 21時) (レス) id: 637a950f3e (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 以前読ませて頂いたのですがとても素敵でした！更新待ってます！ (2020年6月12日 23時) (レス) id: 96098a2a12 (このIDを非表示/違反報告)
inno - 白布くんかっこいい (2020年6月12日 21時) (レス) id: 637a950f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小林 | 作成日時：2020年6月4日 19時
