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「いや、なんのつもりなん・・・?」



かなりイラついている治と反対に、賢二郎は落ち着いた様子で言った。








「・・・それより、あっちで稲荷崎の主将がお前と金髪のやつのこと、怖い顔して探してたけど。早く行けば?」





その一言に、治は固まった。







「・・・まて、北さんが・・・?最悪や、また言われるんか・・・」






賢二郎の駆り立てに対し、治は「またツムに巻き込まれたわ」と頭をかいた。











「・・・A。分かっとると思うけど、お前は俺らんとこのマネなんやからちゃんとしてくれんと迷惑や。」




治はそう言い捨てると、私たちに背を向けて行ってしまった。






『あ・・・・・・。』






・・・迷惑、か。そんなのずっと前から分かってるよ。


治が行ってしまった後、私は賢二郎と目を合わせられずにしばらく沈黙が続く。











『・・・あの・・・ごめんなさい。』



全く関係ない賢二郎まで、巻き込んでしまった。







「気にすんな。お前のことが知れたからいいよ。」





だけどそう言って迷惑そうな顔ひとつしない賢二郎に、私は胸がいっぱいになった。









『・・・ねえ、賢二郎が治に言ったこと・・・嘘だよね。』







なんとなくだけど、まるで私と治を引き離してくれたような気がしたから。




私が聞くと、賢二郎は黙って頷いた。








「・・・まあな。そもそも俺は他校のやつがしてる話なんか興味無いし。」








それなのに嘘をついてくれたってことは・・・やっぱり賢二郎には前から気づかれていたんだ。








だけど、他校に興味ないはずの賢二郎が。





『どうして、嘘なんか・・・?』






「・・・俺はさ、」












賢二郎は私の腕を引いて、私の耳元に顔を近づけた。










「・・・さっきみたいなAの顔、見たくないから。」



『・・・っ、』









その言葉に少し期待してしまったとともに、いっそ縋ってしまいたいと思った。

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小林(プロフ) - マナミさん» 貴重なご意見嬉しいです!ありがとうございます!焦る稲荷崎いいですよね、、参考にさせていただきます〜! (2020年6月2日 20時) (レス) id: 1c1b8c8b99 (このIDを非表示/違反報告)
小林(プロフ) - 澪さん» 応援していただき感謝です!今後もがんばります! (2020年6月2日 19時) (レス) id: 1c1b8c8b99 (このIDを非表示/違反報告)
小林(プロフ) - ロンメルさん» 嬉しいです〜ありがとうございます!これからの展開にもキュンキュンしていただけるよう頑張ります、! (2020年6月2日 19時) (レス) id: 1c1b8c8b99 (このIDを非表示/違反報告)
マナミ(プロフ) - 面白いです!雑愛で他校に愛され大好きです。稲荷崎メンバー(北さん以外)雑愛で素直じゃないところ萌えますが…主人公が他校から愛されて焦る稲荷崎も大好きです!もっと絡んで焦ってほs((更新頑張って下さい!応援してます! (2020年6月2日 3時) (レス) id: f5569c460a (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃ面白いです!応援してます!頑張ってください! (2020年5月30日 18時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小林 | 作成日時:2020年5月25日 20時

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