【ハイキュー!!】青葉城西に居る気ままなネコ (ページ3)

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2話ページ3

sideA

A『じゃね。』

岩泉｢おう。｣

うちは両親が帰ってくるのが遅いから、よく徹とかはじめについて行った。

A『家くらい帰れるのに。』

来た道を帰ろうとするはじめ。

岩泉｢自覚しろ。方向音痴。｣

うるさい。

岩泉｢明日な。｣

うん。

家に帰る。

A『ただいま。』

静かな家。

A『…』

昔から知ってる。

大人にとって〝都合が〟良い子で居れば両親は笑ってくれる。

A『…電話しよ。』

私の通話履歴は基本、はじめと

【貴大】

prrrrrprrrrr

お風呂とかかな。

花巻【はぁい。帰ってきた？】

A『うん。』

安心する声。

A『貴大はご飯食べた？』

花巻【うん。あ、スーパー行ったらカスタードのシュークリームあったよ。】

A『本当！？食べたーい！』

花巻【明日持ってくわ。】

A『やったー！』

電話しながらキッチンに立つ。

A『夕飯なんだったの？』

花巻【カレー。】

何作ろうかな。

A『ご飯作るから一旦切るね。後でまたかけていい？』

花巻【俺がダメって言うと思う？】

思わない。

A『思わない。』

花巻【そういう事。】

優しい。

親が帰ってきた時用の分も作る。

1人の部屋。

違う。

1人しか居ない家。

寂しくない。

昔からだから。

でも、ちょっとたまには話したい。

A『…』

お風呂入ったし…

よし。

prrrrrprrrrr

A『…出ない。』

どうしよう…

あ、

折り返しかかってきた。

A『…もしもし。』

花巻【ごめん。】

A『大丈夫。』

花巻【ビデオ通話したい。】

A『やだ。』

寝巻きだし。

花巻【えぇー。】

A『貴大の声で十分。』

花巻【可愛い事言う。】

べ、別に…

花巻【ちょっとだけで良いから見して。】

A『…ちょっとだけなら…』

ホントは嫌だけど……

花巻【顔赤い。可愛い。】

A『た、貴大のせい！』

ｷﾞｭｯとぬいぐるみを抱きしめる。

花巻【ぬいぐるみ退けて。】

A『ヤダ。』

花巻【お願い。】

A『…』

チラッと覗いたらニヤニヤしてる。

花巻【可愛い～。】

A『…う、うるさい！』

ずっと話したいけど、寝なきゃいけない。

A『…』

花巻【明日な。】

A『うん…』

花巻【早く明日にならねぇかな。】

？

花巻【そしたらまたAに会える。】

なっ！

A『もう切る！おやすみ！』

この甘い時間が幸せ。

貴大には言わないケド。