ヒロイン系モテ女子攻略法［赤葦 京治］

これのち、危険 ページ6

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＞＞＞A



｢俺のこと好きにさせるから｣



そう言った彼、赤葦京治は私の驚いた顔を見るなり頬を緩ませた。



何よ…さっきまで惚れないとか言ってたくせに。ほんと意味分かんない。



この男はミステリアスだ。無駄に放つ色気と、謎に包まれた雰囲気。大人びていて…何と言うか…うん。そう、オトナっぽいの。



まぁ、この男だけが私に惚れてないから何故か対抗心を抱き惚れさせる宣言をしたわけだけど。



まさかここまで早いとは…。



生憎、私は好きな人なんていない。いや…いないというより…



好きだった人の事が忘れられないと言った方が正しいだろう。



私はもうあの日から恋なんてしないって決めたんだから。惚れてたまるかっつーの。



そんなことを思いながらも、赤葦の不意に魅せる笑顔に胸がキュッ…と締め付けられる。



自分でも分からない。好きかと言われればNО。けどキライかと言われればそれもNОとなる。



つまり、私は彼にちょっとだけ心惹かれているようで。



｢？どうしたの新那｣



｢っ…｣



そう意識した瞬間、赤葦の顔が近くにあると思い出しすぐさま距離を置く。



｢…ぜっ、絶対に認めないんだから！！！｣



訳のわからないことを叫んで赤葦から逃げるように(いや逃げてるんだけど)校舎裏から消えた。



｢…ほんと…可愛い｣



赤葦がピンク色に染まった頬を緩ませながらそう呟いていたことは、私は知らない。

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