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「あ！は、はい！タイム！お願いします！」
手を挙げてキャプテンに向かって言うと、驚いたように目をまん丸にしながら、「ど、どうぞ……」とタイムを許してくれた。わ、私結構思いきったことしてるな。
部外者だということを忘れた訳では決してない。
でも、清水先輩に伝えた通り、私たちの関係はチームメイトで、菅原先輩に言ってもらったように、私も一緒に、試合をしているつもりだったから。
ありがとうございます！とお礼を言って、小走りでコートの中に入り、影山くんと日向くんの肩を掴み引き寄せ、ネットから背を向けた。
「ブロックは、日向くんに避けてもらうっていうのはどうだろう！？」
田中先輩もその中に入ってきてくれて、4人で小さな円になる。
声を潜めて言えば、日向くんと田中先輩は言っている意味がわからなかったのだろう。小さく首を傾げた。
でも、影山くんは理解したようで、否、もしかしたら、私が言う前から同じことを考えていたのかもしれない。
「……俺は、お前の運動能力が羨ましい！！
だから、能力持ち腐れのお前が腹立たしい！！」
「はああっ！？」
日向くんに向かって悪態をつき始めたかと思うと、
「お前の能力、俺がぜんぶ使ってみせる！」
びしり、と日向くんを指さして言った。
そう。そうだ。
今までは日向くんが影山くんに合わそうとしていたけれど、そうじゃない。
「──お前の1番のスピード、1番のジャンプでとべ。ボールは俺が持って行く！」
日向くんの動きに、影山くんが合わせるんだ。
日向くんのスピードがあれば、影山くんの判断力を合わせずともブロックを避けることはできる。
そして影山くんは、一般的に考えると不可能かと思われる日向くんの動きに合わせてトスをあげるということが、きっとできる。きっと。
「持って行くって何？？どういうこと？？」
日向くんはまだ言葉の意味がわからないようだ。
それはそうだと思う。そんなこと、基本的にはありえない事だから。
それでも、今あの速攻を完成させるにはこれが最善の策だと思った。
影山くんの説明で、とにかく日向くんはボールに合わせずとんで打つ。ということは理解し、
「わかった」
覚悟を決めて頷いてくれた。
作戦も決まり、コートを離れる間際。ふと思い出して、影山くんの肩に触れる。
振り向いた彼の眼光はやはりピリピリしていて少し鋭く感じたけれど、ピリピリよりも集中してほしくて。
「もう落ち込んでない？」
彼だけに聞こえる声でこっそりと言った。
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しおり(プロフ) - 夢主さん» ありがとうございます🥲あともう少しで完結なので楽しく書き進めたいと思います☺️ (2022年10月24日 8時) (
レス) id: e0e048fd48 (このIDを非表示/違反報告)
夢主(プロフ) - しおりさん» 笑笑ほんとに面白いです！めっちゃ今読みあさってます！ (2022年10月23日 22時) (レス) id: e4dd308597 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 夢主さん» はっ……どう、でしょう……？ (2022年10月23日 21時) (レス) @page1 id: 0e2f0640dd (このIDを非表示/違反報告)
夢主(プロフ) - ちゃんと小学バレーローテしてないって事理解してるあたりバレーしてますよね😎 (2022年10月23日 21時) (レス) @page1 id: e4dd308597 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおり | 作者ホームページ：http://nanos.jp/amakusa40/
作成日時：2021年8月24日 22時
