第9話:重ねた相手 ページ40
第9話
「お邪魔します。入れていただいてありがとうございます。」
体育館に向かう途中、日向くんとも合流した。
日向くんと影山くんが、菅原先輩にお願いし、菅原先輩が大地さんと呼ばれるキャプテンにお願いし、色んな人の協力の元、無事私は体育館に入ることが出来た。
これで試合の行方を見守ることが出来る。
キャプテンにしっかりお礼を言って、邪魔にならないよう体育館の隅に移動して体育座りで縮こまった。
影山くんと日向くんのチームには田中先輩が入るように、月島くんと、そして昨日も月島くんと一緒にいた彼は山口くんと言うらしい。その2人のチームにはキャプテンが入り、3対3。
「小さいのと田中さん、どっちを先に潰……抑えましょうかあ
あ、そうそう。王様が負けるとこも見たいですよねえ」
相変わらず月島くんの煽りは止まらない。
影山くんが落ち込んでしまわないといいけど……と心配したのも束の間、誰よりも感情を揺さぶられていたのは田中先輩だったようで。
「擂り潰す！！！」
それはもうおっかない顔で月島くんに言うものだから、私はその雰囲気に震え上がった。
否、決して怖い先輩ではないと言うことは重々承知しているのだけど……。
かくして遂に3対3の試合が始まった。
火の着いた田中先輩のスパイクの威力は凄まじく、月島くんの高いブロックもぶち抜いていく。
でも、決して月島くんのブロックが悪い訳では無い。田中先輩だからこそうち抜けた部分も少なからずあるように感じていると、案の定。
「日向！！」
「おおっ」
バチッと、気持ちのいい音がした。
相変わらずその身長からは想像できない打点の高さで、勢いよく打ち込まれた日向くんのスパイクは、月島くんのブロックによって完全にシャットアウトされたのだ。
その後も、何度も何度も、日向くんのスパイクは、月島くんに止められてしまう。
悔しい。やっぱり、バレーにおいて体格というのはどうしたって重要になってしまうのだろうか。その壁を、越えることは出来ないのだろうか。
握った両の手を、無意識のうちにキツく握りしめた。
渾身の影山くんのサーブも、キャプテンが綺麗に拾って見せたものだから、いよいよこちら側の気持ちが焦ってくる頃だ。
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しおり(プロフ) - 夢主さん» ありがとうございます🥲あともう少しで完結なので楽しく書き進めたいと思います☺️ (2022年10月24日 8時) (
レス) id: e0e048fd48 (このIDを非表示/違反報告)
夢主(プロフ) - しおりさん» 笑笑ほんとに面白いです！めっちゃ今読みあさってます！ (2022年10月23日 22時) (レス) id: e4dd308597 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 夢主さん» はっ……どう、でしょう……？ (2022年10月23日 21時) (レス) @page1 id: 0e2f0640dd (このIDを非表示/違反報告)
夢主(プロフ) - ちゃんと小学バレーローテしてないって事理解してるあたりバレーしてますよね😎 (2022年10月23日 21時) (レス) @page1 id: e4dd308597 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおり | 作者ホームページ：http://nanos.jp/amakusa40/
作成日時：2021年8月24日 22時
