過去話3 ページ7
その日は、何の用事もなく、両親に外に出掛けてもいいと、言われたから、彼は出掛けに行っていた。
出掛けるといっても、ただ街を歩くだけという。
でも、それだけでも、彼にとっては、嬉しいことでもあった。
新たな発見があるかもしれないという、好奇心もあり、より嬉しいことだった。
そして、楽しみながら、街を歩いていると、色んな人に話しかけられた。
それもそうだ、「国一番の戦力」と「国一番の頭脳」の子供なのだから。
でも、きっとこれは、あくまでも彼の肩書きに過ぎない。
この肩書きがなければ、彼は、誰にも話しかけられては、いないだろう。
そして、信じられるのは両親だけだろう。
彼は、そう考えながら街の仲を歩いていた。
すると、
「あっちいってあそぼーぜ!!!」
「あっ!!まてよー!!!!」
と、前を自分と同じくらいの子供が楽しそうに走って横切っていく。
彼は、その子供たちを見て、
(なんで、俺は、あの子たちみたいに遊べないんだろう。)
と思った。
それは、そうだ。
彼は、生まれてきて、喋れるようになってから、ずっと勉学と武術に励んできたからだ。
あんな感じで遊んだことすら、寧ろ仲の良い友達だっていない。
そう思うと、なぜか彼らが羨ましく思ってしまった。
(俺も、あの子たちみたいに、自由で、友だちがいれば良いのにな。)
そう思った。
でも、今の状況だと、それが実現しないのは確かなのだ。
そう考えると、頭が痛くなる。
それもあって、彼は、一旦、人の邪魔になるし、賑やかだと、この頭痛が止まなさそうだったため、人通りの少ない路地裏に向かった。
路地裏ということもあって、さっきまでの賑やかさとは違って静かになる。
そして、誰一人も居ない路地裏で休むことにした。
そこから、三十分休んで、路地裏から出ようとした時、
路地裏の入り口から
「よし、上手くいったな!!」
「何円取れた??」
と、声が聞こえた。
この感じは不良で、恐らく金を盗んだなんてすぐに分かった。
そして、彼の視線に奴らが映った。
奴らは、間違いなく不良だった。
そして、その不良たちは、彼を見つけるなり、
「あ?なんかガキが居座ってんだけど。」
「おい、ガキィ!俺らの縄張りに何のようだぁ???」
と、言ってくる。
それに対し、彼は、
「ごめんなさい。具合が悪くなって休ませてもらいました。それにしても縄張りなら定礎かなんかおいてもらえませんか?」
そう言った。
18人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
楓生(プロフ) - リア充暗殺隊隊長のミドロさん» へへっ…!ありがとうございます!! (7月12日 23時) (レス) id: 17fdfdd6c0 (このIDを非表示/違反報告)
リア充暗殺隊隊長のミドロ - あ〜♪尊い☆ (7月12日 23時) (レス) id: 76e750bc9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ