廃墟となった国の少女 second (ページ6)

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過去話2 ページ6

五つ目は、彼の賢さ。

彼の母が、学校の先生をやっていたため、それが遺伝したのかも知れないと、普通の人なら考えるが、彼の賢さは、異常だった。

まずは、脳の容量についてだが、両親が話したことのない、彼の生前の出来事を全て覚えていて、教えた記憶のない言葉まで、知っていた。

それに、自分が生まれた日、喋り始めた日、歩き始めた日も全て覚えていた。

天気も何もかも。

次に、学力についてだが、基本母が、彼に勉強を教える。そのために用意したプリントなどがあるのだが、渡した瞬間に、紙を見つめ、数秒後に、そのプリントに何かを書き込み、数分後に、「できた」と言い、母にプリントを渡す。

そして、母が答え合わせをすると、難しい漢字でも、計算でも、必ず全て正解する。

まだ教えてなくても、同じだ。

次に、頭脳だが、頭脳に関しては、難しいパズルなどを買い与えるのだが、彼に渡すと、1時間で完成する。そのため、何通りもある、パズルを彼に買い与えた両親だが、そのパズルも、一週間ほどで制覇されてしまう。

六つ目は、彼の戦闘能力及び、力。

彼の父は、国軍の幹部だ。

それもあって、彼に稽古をつけることもあった。

そのため、一緒に剣術、弓術、武術、そして、銃の扱いを練習していた。

そして、父はなんでも、扱えるが、勝てるものは少なかった。

なぜかというと、彼の上達の速さがおかしいのだ。

それに、弓と銃だけは最初から完璧に扱えていた。

それに加えて、弓と銃を初めて扱わせたとき、一発で、標的の急所を捕らえていた。

剣術は、双剣などの色んな剣を扱わせていたため、時間がかかったが、攻め方は完璧だった。

そして、すべての剣を扱えるようになるまで、半年しかかからなかった。

武術は、時間がかからず終わった。

だが、そのとき、父は、彼の力は化物級の強さで、一発殴られると、ぶっ飛びそうになっていた。

七つ目は、彼自身のこと。

彼は、生まれつき、寒がりだった。

でも、いくら寒がりでも、夏は、「暑い」と思うもの。

だが、彼は違った。

彼は、年中無休、いつでもどこでも寒いと言った。

もちろん夏でも。

そのため、両親は、彼にマフラーとニット帽を買い与えた。

それを渡すと、彼はとても喜んでいた。

そして、そのマフラーとニット帽をずっと肌身離さず着けていた。

両親は、このような彼と4年と11か月を過ごし、あと少しで、彼が5歳になるそのとき、事件は起きた。