廃墟となった国の少女 second (ページ22)

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第7章何よりも大切なもの 1 ページ22

私の言葉で、部屋から出て、らだくんの捜索を始めた私たちだが、らだくんが全然見つからなかった。

なにか、手がかりがあれば…。

そう思ったときふと思い出す。

さっき流れてきた景色…。

そう思った瞬間私は、らだくんのいる場所がわかった気がした。

私は、みんなをおいてそこへ向かって、走る。

だってあの場所は…。

『らだくん！！』

私は、その場所にたどり着いて、見つけた彼の名を呼んだ。

rd「なーんだ。結構早かったじゃん。」

その場所とは…

みどりくんと約束をした、あの公園だった。

(やっぱり、らだくんはみんなのこと大事なんだろうな。)

そうでなければこの場所を選ばないだろう。

rd「んで。なんの用事？」

そう聞かれた。

『らだくん今からなにする気？』

そう聞き返した。

rd「俺？俺は、今までの行いの払拭かな。」

ふっしょく？

なんだそれ？

rd「簡単にいえば、取り除く。かな？」

取り除き。

彼は、自分の行いの取り除きを行いたい。

つまり…

『償うってこと？』

rd「そういうこと。」

『償うって何をする気なの？』

rd「まぁ、そんなのすぐにわかるよ。」

その言葉に、嫌な感じがした。

彼が、私のそばから消えてしまいそうで。

もう、二度と会えない気がして。

そう思ってか、彼との距離を縮める。

後は、手を伸ばせば届く距離だ。

でも、らだくんも私が距離を縮めたことに気付いたのか、私から離れる。

なんで、離れるの…？

rd「なんで、近づいてくるの？邪魔しないで…。これは、俺の責任なんだよ…。」

その言葉に傷付きつつも、私は、彼に近付いていく。

rd「もうやるしかない…。ごめんね。傷付けたくなかったけど、やるしかないみたい。」

そういって彼は、左手首を右手で切った。

この動作は、怪物を召喚するときの儀式みたいなものだ。

私は、少し後ろに後ずさった。

そして、私の目の前に現れたのは、間違いなく、彼に憑いている、怪物だ。

もちろんやつは、私に攻撃してくるだろう。

私も攻撃できたら…。

そうしたら、らだくんを救えたのかもしれない…。

私は、彼みたいに生まれつき、何か秀でている才能があるわけでもないただの市民。

そんな市民が、人を助けたいだなんて、何年早いことだろう。

…いや、人を助けるのには、才能なんて要らない。

力だって、能力だってなんにも要らないんだ！

何かないと人を救えないなんてそんなこと誰が決めた！

私は、私自信で人を救う！