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「戦地に赴かない人間が喚くな。怪我人を治療するのがお前の役目やろ。そこだけ全うしてればええねん」
ピシャリと言い放ったその言葉にAは少しだけ口を開き、何も言わないまま口をつぐんだ。
視線を落とし「出過ぎた意見を申し上げました」と頭を下げると静かに椅子に座り直す。
空気が冷たくなったのは自分でも感じていたがそんなのはどうでもよかった。
奇襲作戦を行う方向で進み、会議後Aはすぐに部屋を出て行った。
隣に座っていた大先生は「ちと様子見てきますわ」と言い、あとを追いかけていく。
「コネシマ」
自分も部屋から出ようと立ち上がると、いつも反対の席に座っているゾムが目の前に立っていた。
「なんやゾムか。奇襲作戦、お前んとこの班がやるんやろ？グルッペンに言って俺もその作戦に…」
「あんまり知らん現状を調べもせずにキツく言うたるな」
「……あ？」
まっすぐ俺を見つめたゾムの表情からは少しだけ怒りが見て取れた。
「…知らん現状ってのは同じ事が言えるやろ。俺の現状を、知っとるんか？あいつが」
「Aは医療班として全体を見て意見したんや。少なくとも今のお前みたいに感情的にものは言っとらん」
会議後、各々が雑談をしている中の明らかに冷えた空気。
耐えられなくなったのであろうシャオロンは「まぁまぁ」と苦笑いを浮かべながら仲裁に入る。
「…医療班が現場の作戦にどうこう意見言える立場か？戦場行くのは俺らやねんぞ」
この言葉がどうやらゾムの地雷に触れたようだった。
凄まじい顔で俺を睨むと「医療班やからやろ！」と声を荒げ感情的になっていた俺に正論を並べた。
何も言い返せなかった。
正しい意見だからだ。
敵の名前を聞き、早々に借りの返せる機会を邪魔されたことに腹が立っての意見。
つまりは私的で自分勝手なものだった。
おまけに分かりやすく、Aが傷付くであろう言葉を使った。
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味鈴(プロフ) - 紫苑ちゃぬさん» ご感想、ありがとうございます。気楽にだらだらのやっていますがよろしくお願い致します！ (2023年4月26日 23時) (
レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
紫苑ちゃぬ - やばい、、、タイプの小説だぁ、、、 (2023年4月26日 21時) (レス) @page9 id: b2c2939cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年4月20日 20時
