気まずい男(kn) ページ9
やってしまったと自分でも思った。
ゾムに言われ冷静に考えれば確かにあの言い方はあまりにも感情的で、幹部に上がったばかりのAにはキツい言い方だったかもしれない、と。
敵の名前を聞いて、以前死んだ部下のことを思い出してしまったのだ。
殺れる機会があるのならその作戦に首を横に振る選択など無い。
例え多少の疲れがあったとしてもだ。
しかしAは首を横に振った。
誰もが黙ってグルッペンの話を聞いてる中「それは賛成できない」と凛とした声で言ったのだ。
「…ほう。意見を聞こうか」
「はい。幹部の皆さんはもちろん、兵士達は先日の大作戦で行われた戦いの傷が癒えきっていません。今作戦の中心を担うであろう暗殺部隊は特に、怪我や精神面の疲労が酷い。作戦自体はなんら問題ないと思いますが、もう少し期間を空けていただきたいと考えます」
白衣を纏ったAは背筋を伸ばし、自身の意見を述べる。
幹部に昇進したばかりで普段会議で意見を述べることなどほぼ無いに等しかった。
男所帯での生活というのは想像以上に厳しい。
何か意見を言えば余計な火の粉が降りかかる。
だからいつも黙っとるんやなとばかり思っていた。
「…なるほど。お前の意見はよく分かった。しかし今作戦は非常に重要なものだ。今、この時期に手を打ちたい」
「しかし…！」
グルッペンの言葉に食い下がろうとするAに少しイラついた。
この敵に俺の部下は殺されている。
拷問された挙句、何も吐かなかったそいつを虫を潰すかのように。
つい数日まで冗談を言い合っていた部下が死ぬ。
戦っているんだからそんなのは当たり前の世界なのに、受け入れ難いのは変わらない。
何がわかる、お前にと思わず口を開いた。
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味鈴(プロフ) - 紫苑ちゃぬさん» ご感想、ありがとうございます。気楽にだらだらのやっていますがよろしくお願い致します！ (2023年4月26日 23時) (
レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
紫苑ちゃぬ - やばい、、、タイプの小説だぁ、、、 (2023年4月26日 21時) (レス) @page9 id: b2c2939cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年4月20日 20時
