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ガチャっと重い扉が閉まると、グルッペンは耐えられないというように笑い出し、隣にいたトントンは「えぇ…」と一歩引いていた。
「別になんも面白いことしたつもりは無いんやけど…」
ムッとした表情を浮かべるゾムはグルッペンの方をジトーっと見つめる。
今回の作戦で一番最初に行動するであろう部隊の意見にグルッペンは笑いながら続けた。
「いや？おもろかったで。お前もちゃんと感情が前に出るようになってよかった。押し黙って下向いて、誰も信じないような男やったとは思えんな」
ゾムの前に行き、わしゃわしゃとその茶色い髪を両手で撫でる。
犬を撫でるように雑な撫で方だがゾムはムスッとしたままなもの、満更でもない様子だった。
「俺らの組織はな、何度も話し合って、ぶつかって物事を決めていけばいい。気に入らなければ殴り合ったっていい。そうやって決めた選択には意味がある。ここにいる全員、それを忘れるんじゃないゾ」
・・・
「…ってなことがあったわけだ」
「な、なんか…思ったよりえらいことあったんやな…」
あのゾムがねぇ、なんて腕を組みながら考えに浸る大先生。
余程珍しい行動なのは二人の反応でよく分かった。
「さて、伝えることは伝えたゾ。俺はもう行く。トン氏に書類に印鑑押せって追いかけられてる途中やったからな」
「このことは他言無用やぞ、大先生」と釘を刺すとグルッペンは庭園を後にする。
女はその背中を見届けたあと再び丸くなって考え込む。
「よかったやないか」
「あの人が味方で本当に良かったって心の底から思うよ」
それは同感やと笑う大先生は２本目の煙草の火も消す。
「俺ももう行くで。今日は実践訓練もあるで、早いところ医務室で待機しとりや」
大先生が立ち去ろうと歩き出した瞬間、風が吹き庭園の草木が一斉に揺れる。
桜の木も例外ではなく花びらがぶわっと舞い散る。
あまりの美しさに顔を上げ魅入っていると、聞き慣れた優しい声色の彼が名前を呼んだ。
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味鈴(プロフ) - 紫苑ちゃぬさん» ご感想、ありがとうございます。気楽にだらだらのやっていますがよろしくお願い致します！ (2023年4月26日 23時) (
レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
紫苑ちゃぬ - やばい、、、タイプの小説だぁ、、、 (2023年4月26日 21時) (レス) @page9 id: b2c2939cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年4月20日 20時
