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「お前が珍しく意見を言うもんだからあいつらも驚いとったなぁ。ああ、キツく言ったコネシマのことは許してやれ。今回の作戦、アイツと少し因縁のある敵やったからな」
「…気にしてません。全体を見て意見を言っただけなので」
うむ、仕事熱心でいい事だ、とグルッペンは笑う。
「それでさっきの作戦内容だがな、トン氏と話し合ってお前にも話す事にした」
木の下まで歩いてきたグルッペンは大先生の前に立つ。
何のことだと首を傾げているのはAだけで無く、大先生も煙を吐きながらじっと見つめていた。
「敵を騙すには味方から。実は今な、敵のスパイがひとりうちに潜り込んどるんや」
「「……はぁ！？」」
驚いた二人の表情にグルッペンは期待以上だと大声で笑う。
話される予定のなかった大先生は煙草を持ち歩き用の灰皿に押し付けた。
「じゃあ今日の幹部会議でやたらしっかり作戦内容話しとったんは…」
「作戦は幹部から部下へ、部下から兵士全体へ流れていく。敵のスパイ言うてもうちから寝返った奴の目星をより正確なものにするというだけでなぁ。敵との繋がりを確認できたらサクッと殺す予定や」
首元でビッと親指を真横にスライドさせる。
にっこり笑ったままその動作をされると敵でなくても肝が冷えるというものだ。
「つ、つまり…今日の作戦内容は敵を騙すための…」
「うむ、嘘情報やな。作戦内容はホントだがこんな時期にやらんゾ」
グルッペンの言葉にAは安心したような、呆れたようなそんな雰囲気を漂わせながら上を見上げ盛大にため息をついた。
「いやーまさかお前があんなに熱く語ってくれるとは思わなかったゾ！おかげで幹部達はすっかりお前の話で持ち切り。それはしっかり部下に伝わり、スパイに届くのも時間の問題やな」
想像以上に早く片付きそうだとグルッペンは満足そうに腕を組み口角を上げている。
完全に彼の掌の上で踊らされている事に「やはり敵わない」と大先生も苦笑いをこぼしながら新しい煙草に火をつけた。
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味鈴(プロフ) - 紫苑ちゃぬさん» ご感想、ありがとうございます。気楽にだらだらのやっていますがよろしくお願い致します！ (2023年4月26日 23時) (
レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
紫苑ちゃぬ - やばい、、、タイプの小説だぁ、、、 (2023年4月26日 21時) (レス) @page9 id: b2c2939cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年4月20日 20時
