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「当たった場所が悪くて、かなり出血してたから必死だったのかも…」
「…見たかったわ…アンタのアホ面…」
「コネシマさんって仲良くなると急に距離が近いよね」
私たち、こないだまで結構ギクシャクしてたよ？
そう言いながらコネシマの短い前髪を流すように撫で、手を離す。
点滴がきちんと落ちていることを確認しながらその量を少しだけ調整しバインダーに挟まれた用紙に書き込みをしていた。
「俺は人に心許すのに時間がかかる分…許した時は早いんや」
「じゃあ、心許されたってことで喜ぶことにするね」
少し席を外す、報告して来るね。
そう言ってAは椅子にかかった白衣を着直すと襟を正して小さく灯ったデスクの灯りを消す。
「何かあったらそこのナースコール押して。私に直接繋がるようになってるよ。それからもう遅いし…疲れてるなら眠ってくれて構わないからね」
Aは手を振って部下と共に医務室から出ていった。
扉が閉まると部屋の中は静寂に包まれる。
ベットから窓の外を見ると、昨日の豪雨が嘘かのように星空が広がっていた。
山の中にあるこの拠点は星も月も街中よりよく見える。
星空をゆっくり見上げるなんていつぶりや？そう考えながら撃たれた横腹を少し撫でる。
包帯から少しだけ滲んだ血。
痛みは当然あるが綺麗に縫われているのは分かった。
「優秀やなぁ…」
ポツリと呟き目を閉じる。
たくさんの人間の死を見届けてきたが、自分が死の淵に立つのは本当に久々だった。
この師団が創立される前に一度だけあったが、自分の死は目の当たりにすると何故か客観的になってしまう。
『あぁ、多分死ぬんやな』とどこか他人事でどうでもよさすら感じる。
自分だけがそうなのか、死んでいった奴らもそうだったのかは分からないが、コネシマの中で自分の死というのはそんなものだった。
「ずっと寝てたのに眠い…大人しく寝るか…」
ここ数日、ロクに寝ていなかったなと思い出すと余計に眠気が増した。
いい機会だ、たくさん眠ってやろう、仕事は他の奴らに押し付けて、堂々と休んでやる。
文句を言いながらも請け負う仲間を想像してコネシマは思わず笑ってしまう。
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味鈴(プロフ) - 紫苑ちゃぬさん» ご感想、ありがとうございます。気楽にだらだらのやっていますがよろしくお願い致します！ (2023年4月26日 23時) (
レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
紫苑ちゃぬ - やばい、、、タイプの小説だぁ、、、 (2023年4月26日 21時) (レス) @page9 id: b2c2939cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年4月20日 20時
