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深い、水の中にいた。
人生で一度だけダイビングをした事があるのだが、ポコポコと聞こえる水の音はとても心地いい。
外の音が一切聞こえないのに、水の中で発生する音は鮮明に聞こえる。
嫌な音が何一つ無く、ずっとここでまどろんでいたい。
そんな気分だった。
『気持ちええなぁ』
水中から見る水面はキラキラと光っていて澄んだ水の中では美しい魚達が泳いでいる。
美しいものしか無くて、何一つ汚れたものがなくて…
何故かふと…それが気持ち悪いと思った。
「A先生…！意識戻りました」
「意識レベル確認して」
バタバタと走り回る音と、自身に繋がれた機械音は先程までの水中音とは打って変わって騒がしく、思わず眉を顰めた。
「コネシマさん聞こえる？…うん、呼吸も脈拍も問題無さそう。とりあえずよかった」
「ここ…は」
「医務室。撃たれたの覚えてるかな？」
見知った女医の姿に、帰ってきたのだと理解する。
身体に繋がれた管からは薬品が流れ、傷口はしっかりと処置された後だった。
「担ぎ込まれてきた時はびっくりしちゃった。ちなみに撃たれたのは昨日の夜。現在時刻は午後１０時５２分。思ったよりすぐ目覚めてくれて、本当に安心した」
普段から着ている白衣姿では無いAは、担ぎ込まれた時の状況を説明する。
担架で運ばれてきたコネシマの傷は深く、止血ガーゼも豪雨で濡れあまり意味をなしていなかったという。
もう少し運ばれるのが遅かったら最悪の事態も想定されてたと優しい声色で話す。
「なんや…もっとべそかくかと思うたわ…」
冗談まじりにそう言うとAは横たわるベットの隣にある椅子に腰掛ける。
「起きたのを泣いて喜んで欲しかった？」
「せやなぁ…医務室にこんな風に運び込まれたん初めてやし…『コネシマさんが無事でよかった』って…泣いてくれてもええんやで…」
起き抜けの掠れた声でそう言うコネシマに、女は微笑みながらその透き通るような金色の髪を撫でる。
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味鈴(プロフ) - 紫苑ちゃぬさん» ご感想、ありがとうございます。気楽にだらだらのやっていますがよろしくお願い致します！ (2023年4月26日 23時) (
レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
紫苑ちゃぬ - やばい、、、タイプの小説だぁ、、、 (2023年4月26日 21時) (レス) @page9 id: b2c2939cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年4月20日 20時
