2 ページ15
「いやーギリやな！ギリ！」
「シッマ、大丈夫か？」
応援に来たシャオロンとゾムはふぅっと息を吐きながら手を上げるコネシマに声をかけた。
「助かったわ〜」と言いながらコネシマは落としたナイフを拾い、泥を払う。
「気ぃ付けろ。多分敵がもうひとり……」
パンっと銃声が響く。
雨音のせいでいつもより小さく聞こえたその音の方を見ると、微かだが敵の影があった。
相手も多分、こちらの姿を確実に視認できていたわけではないだろう。
見覚えのない人影に思わず撃った。
そんなところだ。
「シッマ！」
「てめぇ！」
しかし、その思わず撃った銃弾はコネシマの脇腹に命中した。
一瞬何が起きたのか分からないような表情のあと、服から滲む血を見て状況を察した。
じわじわとくる痛みに、コネシマは膝をつく。
「シッマ！止血しろ！」
駆け寄ったシャオロンは背負っていた簡易応急セットを取り出しガーゼを腹部に強く当てる。
痛みで顔を歪めるコネシマからは雨のせいもあり血がよく流れ出てしまっている。
「シャオロン！シッマは！？」
銃を撃った敵を始末した後、すぐに駆け寄ってきたゾムは出血を見て息を呑む。
多い。
当たったところが悪そうだとすぐにロボロに連絡をした。
すでに数名がこちらに向かっているようでゾムはなるべく急いでくれと催促した。
「こりゃ…久々にやべぇな…」
傷口を強く押さえるが、意識が遠退く。
シャオロンが何か叫んでいるようだがぼやけてしか聞こえない。
豪雨のはずの雨音もほとんど聞こえなくて、曇天の空から落ちる大きな雨粒が顔に当たって鬱陶しいな、なんてぼんやり考える程度だった。
死ぬ時なんて案外あっさりだわな…
あぁ…死ぬんか…俺…
コネシマの意識はここで暗闇へと落ちていった。
・・・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
味鈴(プロフ) - 紫苑ちゃぬさん» ご感想、ありがとうございます。気楽にだらだらのやっていますがよろしくお願い致します！ (2023年4月26日 23時) (
レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
紫苑ちゃぬ - やばい、、、タイプの小説だぁ、、、 (2023年4月26日 21時) (レス) @page9 id: b2c2939cca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：味鈴
| 作成日時：2023年4月20日 20時
