【僕だけが】unforgettable【愛してた】

後悔した１２７ ページ10

ＮＯside

あ「そんな泣くなよ」

Aがにししっと笑を零した。


その顔は何処か吹っ切れていて、
なにかの枷が取れたような、そんな気さえした。

こ「...はいっ！」

薬「よかったな、こんのすけ」


薬研が嬉しそうにこんのすけを見つめる。

その瞳は何処までも優しげで
Aを思う気持ちで溢れていた。


薬「まぁなんだ、これからもよろしく頼むぜ」

三「はっはっは、家族が増えることは
良いことだな。」


ほけほけと笑う三日月の笑顔は
その場の空気をゆっくりと溶かしていくようで。


あ「そうだな...家族だもんな」

Aは自分に言い聞かせるように呟く。


その顔は確かに嬉しさで満ちていたのだ。



＊＊＊



あ「三日月、薬研」


薬「...どうした？大将」

暫く雑談した後
Aは何かを思い出したのか


はっとして顔を上げた。


あ「俺、行かなきゃいけないとこがあるんだった！
ちょっと行ってくるわ」


三「俺も行こうか？」



立ち上がろうとする三日月を
手で制しながら、Aはどこか嬉しそうに

微笑んだ。


あ「いや、いい。
俺一人じゃないとダメなんだ」


その言葉に三日月の眉尻が下がる。

三「そうか...気をつけるんだぞ」

薬「待ってるぜ」



あ「おう」

そうしてAは足早に部屋を去った。

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