【僕だけが】unforgettable【愛してた】

後悔した１３５ ページ18

堀川side

誰のか分からない心臓の音が、

とくりと、聞こえた気がした。


堀「大和守、さん」



僕達は刀で、付喪神で、人間じゃないのに

こうして心を得て、体を得て、

心臓は毎日
毎分毎秒鼓動を刻み続けている。

そして
まるで人間のように

誰かを想って、傷ついて、悲しむ。



大「こんな苦しい思いするんなら、
僕っ、アンタに出逢わなきゃよかった」



あ「...っ、！」


柘榴さんの方に向けられた笑顔は
この上なく辛そうで、

何故か僕の方が泣きそうになった。




堀「もう、やめなよ...」


なんで僕らは、こんなにも
すれ違うんだろう。

言葉に出来る口がある。
行動出来る手も足もある。

なのに、どうしてだろう。


僕には
分からない。分からない..でも






大「柘榴が...＿＿＿＿＿＿ 」






今は、今この瞬間だけは






.






"柘榴が、主じゃなきゃよかった"






.






こんな心も、体も

『欲しくなかった』なんて、


ただ強く、そう思ってしまった。

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