【僕だけが】unforgettable【愛してた】

後悔した１３０ ページ13

加州side


あ「やっほ、皆」


その人は、なんの...なんの前触れもなく
俺達の前に姿を現した。

＿＿＿＿＿清光

と、その凛とした声に呼ばれれば

俺はもう、
身動きひとつすら動かすことが出来なくなる。


ただ静かに。ただ、冷静に。

柘榴からの言葉を待った。

あ「お邪魔します。」


加「な、に...」

段々と近づいてくる足音が、
やけに大きく聞こえた。


大「お、おいっ！
急に来て、何言ってんの！」

安定の静止もまるで聞こえていないかの様に
その足は止まらない。

怖い、嬉しい、悲しい、苦しい。

色んな感情がごちゃ混ぜになって
涙が込み上げた。






.







あ「加州....加州清光。」



嗚呼、良かった。


その眼差しに見つめられて、

その声で名前を呼んでもらえて。


加「....っ」


もうこれ以上ないってくらい、
俺は嬉しかった。


あ「この間は、悪かった。
言い訳がましいけど、 俺、お前が嫌いで言ったんじゃないよ....あんな事。」

加「どういう、こと...」



果てしなく柔らかくて、優しい声が
俺の鼓膜を揺さぶった。

後悔した１３１→←後悔した１２９

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す