未知と無知６ ページ20
？「....ほう。名を「A」と申すか。」
少し低めの威圧感のある声が
僕の耳に届いた。
こんのすけが言ってたことが本当なら、
僕は結構やばいことをしてしまったみたいだ。
ギギギっと音を鳴らしそうな首を
動かして声の方をみた。
？「お主は阿呆なのか？
政府の輩に、真名は教えるなと言われなかったのか」
あ「ぁ...」
シャランっと、装飾を鳴らして
まるでこの世のものじゃないくらい綺麗な顔をした男の人が
僕の方に歩いてきた。
？「どうした、人の子。」
１歩歩くだけでも
その一連の動作すら綺麗だった。
僕は口をあんぐりと開けたまま静止した。
あ「ぇっと、..」
ごもごもと口篭る僕に
その人は一言だけ言った。
？「やはり、お主もか。」
そう言って、笑った。
いいや、笑ったんだけど
目が笑ってない。
目が言っている。
『消え去れ』
あ「ぁ...ご、ごめんなさい」
拒絶を真っ向に受けると
人間はこうも恐怖を感じるんだと思った。
？「....戯言はよい。謝るな。お主ら人間はもうよい。許すも何も、もうお主らに許しを乞うことは許されぬのだ。さぁ、去れ。消えろ。
もうここに二度と来るでない。
穢らわしく、欲求に翻弄された
＿＿＿＿＿愚かな人の子。」
あ「....っ、」
違う。
僕は、違う。
僕は..."そっち側"の人間じゃない。
あ「...違う。」
その人の目を、ちゃんと見据えた。
逸らしたら、終わりな気がしたから。
あ「僕は...欲求に翻弄などされてない！
僕は、そんな人間じゃない..！
君達の過去は聞いてる、
でも、僕だって..！
僕だって！！今まで、この体のせいで
人間の醜い欲求と衝動に使われてきた...！
だから、僕はそんな人とは違うっ！
一緒に、しないで..！」
目の前の男の人を少し睨んだ。
自分の目からは涙がポロポロ溢れてて
これじゃホントに馬鹿な人間だと確信されちゃうなぁ、なんて後悔した。
？「だから、人は嫌いなのだ。」
そんな言葉が、吐き捨てられた。
あ「っ、」
ぐっと唇を噛み締めて
俯いた。
？「愚かで、嫌いだ。
醜くて、嫌いだ。
.
儚くて、嫌いだ。
愛しくて、嫌いだ。
人間は優しくて、酷い。
俺達を、何時迄も何時迄も困らせる。
惑わせる。
だから、人は嫌いだ。」
男の人はそう言うと
苦虫を噛み潰した様な顔をした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 608人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
尼子 - めっさ好きです…続きが気になります！ホント、出来たらでいいので更新してほしいです。 (2021年1月17日 2時) (
レス) id: 40e4cbfdd7 (このIDを非表示/違反報告)
午後の紅茶は午前に飲む。 - オメガバースだと…。最高かよ、最高です。だかしかし、更新停止中だとﾂｯ!!なんという屈辱、みりん←さんのペースで更新頑張ってください。 (2021年1月7日 23時) (レス) id: 2ed3efbae0 (このIDを非表示/違反報告)
ウタ - 楽しみにして待ってます！ (2018年11月15日 23時) (レス) id: 5d727cd1f1 (このIDを非表示/違反報告)
輪廻 - 美味しいっ…！リアル大変かと思いますが更新頑張ってください！応援してます！ (2018年8月30日 3時) (レス) id: aaa6925eed (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 更新待ってます (2018年6月5日 0時) (レス) id: dfe0d85699 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みりん←
| 作成日時：2017年7月6日 18時
