【愛されたい】審神者なんてやらなきゃよかった。【審神者】

後悔した３２ ページ36

ただ、不思議で仕方なかった。

なんで、薬研はこんなにも
優しく笑ってるんだろう。


俺を、好きで居てくれたんだろう。



あ「なにもしてやれてないのに、
好きなんて、言えるのか...？

そんな、確信のない感情だけで、
俺を、主として認めてくれるのか.....？」



そもそも、俺はなにも出来てない。

薬研という一振りの刀剣男士に

3年間も一緒にいて


(ただ、それだけで...)

俺はなにも与えてないし
なにも出来てないのに。


3年間という数字だけが

俺と薬研を唯一繋げてるようなものなのに。


あ「それは、違うよ..薬研
君は俺のことを好きなんかじゃない。」


声が、震えてるのがわかった。

言いたくない言葉がつらつら出てきた。



黙っていれば、愛されていた筈なのに。

あ「薬研は、俺を好きになってる訳じゃないよ。
きっと、母さんがいないから
寂しくなって..そう思ってるだけだ。
俺は、君の何者でもないんだよ。」


冷や汗がたらりと、俺の頬を伝って落ちた。


....幻滅、したかなぁ。


あ「だから、その、ごめんな」



嫌うなら、そう言って欲しい。

今になって後悔し始めてる自分を
嫌ってほしい。


そもそも、

よく考えれば、こんなクソみたいな人間、
誰も愛してくれないに決まってる。

分かってたことだし

この事実は一生俺を苦しめる。



あ「ごめん、ホントに、ごめ＿＿＿＿＿＿＿＿」









.









.









.









.









ドンっ







.







そんな鈍い音が聞こえたと思ったら



薬「そんな事、言わないでくれや...大将」


あ「は、え、....や、げん？」




俺は


＿＿＿＿床に押し倒されていた。＿＿＿＿

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