【愛されたい】審神者なんてやらなきゃよかった。【審神者】

後悔した２６ ページ30

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「俺にはどうしようもできない」

そう言って、投げ出したことを思い出した。




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昔...母さんが、家を出てから
何ヶ月かした日

俺は、周りから
い じめの対象になっていた。


理由は明白だった。


＿＿＿親が、審神者だから＿＿＿



この時期の審神者としての受け取られ方は
いいとは言えなかった。

なにせ、内容は極秘事項で


審神者になれば、帰ってくることが
出来なくなるなんて

そんなの、どう考えても

頭のおかしい仕事だと捉えられて
間違いはなかった。


俺も、そうだったから。



《お前の親、「死に駒」なんだろ？》


学校の同級生からは

そう、いつもはやし立てられて
笑われた。



＿＿＿＿「死に駒」


それは、単に審神者を指した言葉だった。

審神者になる奴は
価値のないやつだと見られていたからだ。


そうでなければ

そんな危なそうな仕事、
連れてかれるわけがないから。




＿＿＿＿死に駒なんかじゃ、ねぇよ





俺はいつもそう返した。

それ以外の言葉なんて出てくるわけなかった。


俺は、なにも知らないから。




.




《君、親はどうしたんだい？
悲しいと...思わないのか。何故、審神者になることを許したんだ》



大人はそう言って俺を否定した。

母さんが「死に駒」になったから。

俺が、たった１人の肉親を
見捨てたと思ったから。



悲しいに決まってる。

悔しいに決まってる。


許すわけ、ないに決まってるじゃないか。



＿＿＿＿見捨てられたのは、俺自身なんだよ


掠れた声で何度も訴えたことを

また、思い出した。



でも、なんの解決にもならなくて


俺がただただバカ踊りをして
踠いているだけだった。




俺には、母さんのことも

周りのことも

このクソみたいに嫌な世界も



どうすることだって、出来なかった。






.






《生きるのが辛いとき、死にたいと思ったとき
貴方はどうしていましたか？》



テレビ番組で言われた
ワンフレーズを、思い出した。



あの時、俺はなにを思ったんだっけ。









.








＊＊＊




『俺に"どうにか出来た"ことなんて
これまでも、これからもくる事なんてない。』




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＿＿＿＿＿＿＿嗚呼、そうか。




.




そう言って、

俺は全てを投げ出したんだ。

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