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四十八 ページ4

NOside


夜が訪れる前。

空が夕焼け色に染まる頃。


ある一室で、それは起こっていた。




***




小「何故です?何故あの様な女を
庇うのですか、三日月。」

静寂が漂う中、
小狐丸がその声を発した。

三「まさかお主がこれ程まで
愚かとは思わんかったぞ。」


三日月宗近が、それに返す。

しかしその目は
笑っていなかった。


そこらの人間では、
泣きべそかいて逃げる程の重圧だった。

石「...小狐丸に僕も同意だ。
彼女は、してはいけない事をしたんだよ。
三日月、君は何故それを分からないんだい?」


石切丸が
三日月を見つめる。

その額には、薄らと汗が滲んだ。


三「愚か者が。主がそのようなことを
する者だと思っておるのか?
今の今まで、一度だって
主は他者に牙を向けることなどなかった。」


彼の声は、怒気を含んでいた。

明らかな殺気。



岩「それはそうであるが..
それとこれとは違うだろう?」

今「ぼくは、ぼくはわかりません....」


今剣が目に涙を溜めた。

三「では聞くが、
そもそもあの見習いが
自作自演でやったわけではないと言えるのか?
それを疑いもせず
我が主を一方的に毛嫌いするなど
あってはならぬ事だ。」


小「いい加減にしろ、三日月!

見習い殿が.."主様が
そんな事をする訳がない!!」




小狐丸が見習いをそう呼んだ瞬間

三日月の、なにかが切れた。





三「主様...とな。
ほぅ。お主、Aを裏切るのか。」


ちゃきりと、彼の美しい刀が
音を出した。


三「...見損なったぞ小狐丸。
恩を仇で返すとは..堕ちたものだな。

そんなに愛されたいのならば
精々、新しい主の元で
その尻尾をふっておれ。」



地の底から湧き上がる様な、

そんな怒りを隠そうともせず


彼はその憤りを
露わにした。


石「み、三日月..!」



石切丸がその手を伸ばしたが



三「二度とその顔を見せるでない。」



彼は、その言葉だけ言い放って

『三条部屋』を去っていった。

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みりん←(プロフ) - 雪羅さん» ありがとうございます..!そうなんですかっ!?それは...申し訳ありませんっ(薬研もちょくちょく出していきますので、よろしくお願いします(*´v`) (2018年9月1日 15時) (レス) id: a780c8df64 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅 - すごく面白いです!私の推しは山姥切、鶴丸、薬研、三日月、大倶利伽羅、髭切なので、山姥切や鶴丸、大倶利伽羅や髭切も見習い側なんだ……と思うと悲しいですけどw薬研のこともすごく気になります。更新頑張ってください! (2018年8月30日 16時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
みりん←(プロフ) - 怜さん» お褒めの言葉、ありがとうございます...!これからも、よりよい展開にできるように、頑張りたいと思いますっ! (2018年7月25日 17時) (レス) id: a780c8df64 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すごく素敵な作品です!思わず一緒に泣いてしまいそうなくらい切なくて、でも重くなりすぎない文章?で素敵です。この後分かるのかも知れませんが…薬研はどうなるのだろうとソワソワしてしまいます…更新楽しみにしてます! (2018年7月24日 19時) (レス) id: 8e71f1d448 (このIDを非表示/違反報告)
みりん←(プロフ) - ミリアさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません!お褒めの言葉、ありがとうございます(*´ー`*)おぉ...そうですね!貴重な小説案を下さりありがとうございます!それも視野に入れて、今後は新作を考えていこうと思います!精一杯頑張っていきますのでよろしくお願いします! (2018年7月7日 18時) (レス) id: a780c8df64 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みりん← | 作成日時:2018年2月5日 17時

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