【MHA】拝啓、奪うだけだった私へ【相澤消太】 (ページ12)

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あの世界はページ12

千与side

私は猫を連れて家へ帰る。

玄関を開けた瞬間、嫌な臭いが漂った。

嫌という程嗅いた臭い。変に鼻につく。

薄暗い、コンクリートの冷たい世界。

逃げたい。逃げなきゃ。ここにいては……

「にゃー？」

『！！』

猫の声で現実に戻される。

リビングから、二匹の猫が顔を覗かせている。

ここは温かい世界だった。

『ただいま。ご飯はまだちょっと待っててね。この子を洗わなきゃだから。』

しらたまとおはぎが私の足元で私をジッと見つめる。
※千与にネーミングセンスなんてないよー(by時雨)

私はお風呂場に直行する。

何をされるのか分かってない様子のこの子。

暴れないといいんだけど。

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猫ちゃんが大人しくて良かった。

しらたま達とはまだ一緒に居させられないけど……

仲良くしてくれるといいな。

名前、何にしようかな…

灰色だから、グレイちゃんがいいわね

うん。決まり！

好きなものに囲まれた生活。

あの世界とは違う。

『っ……。』

視界が揺れる。

あの世界には戻りたくない。

『……薬…増やすか……。』

私は明日に備えて、眠りについた。