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「_____、」
誰かの声が聞こえる。
誰か来たのかと思った私は、目が半分閉じたまま体を起こす。
「A先輩。起こしちゃいました?」
そう言いながら監督生さんが顔を覗きこんでくる。
周りを見ると監督生さんだけでなく、フェルミエ君やローズハート君、クローバー先輩という珍しいメンツの人達が来ていた。
皆お見舞いに来てくれたのか、机に昼間は無かった果物やらゼリーやらが大量に置かれおり、エペル君からは
「寮長が体調管理ぐらいしっかりしなさい、だそうです。」
と伝言と一緒に、既に切られたウサギ型の林檎の乗ったお皿を出してくれた。
熱が引いた後寮長に会うのが少し怖くなった所で、クローバー先輩が
「夜に食べれるように卵粥を作って置いたから、腹が減ったら温めなおして食べるといい。」
と、制服の上からエプロンを着たまま言う。
夜食まで作ってくれたのか、申し訳ない。
と思い、クローバー先輩にお礼を言うと、自分がやりたくてやったことだから気にしなくていいと言われてしまった。
監督生さんは昨日から溜まっていた洗い物を全て片してくれたらしく、皆には感謝してもしきれない。
そう思いながら林檎をパクパク食べていたが、一人だけ先程から無言で何も喋っていない人物がいる事に気づく。
ローズハート君だ。
また君か、と思い彼の方を見ると他の皆は何を思ったのか「じゃあこれで!」と言って帰ってしまい、部屋には私とローズハート君の二人だけになってしまった。
暫く無言で時計のカチカチと時間を刻む音を聞いた後、先に沈黙を破ったのはローズハート君だった。
「ボクからはコレ…。今日の分の授業はノートに写しておいたから使うと良いよ。」
と言ってオズオズとした様子でノートを私に差し出す。
「ありがとうございますリドル君。とても助かります。」
と言って差し出されたノートを受け取ると、これ以上居たら風邪が移ると言ってローズハート君を無理やり追い出した。
そしていつも道理の静かな部屋になると私は「早く寝るか」と言ってクローバー先輩が作ってくれた卵粥を腹に収めると、いつもは30分以上かかる風呂を10分程度で済ませ、普段よりも2時間以上早く眠りについた。
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灰色(プロフ) - あきまるさん» うびゃあああきまるさんだ…!ウレチイ!!!!こちらこそ読んでくださってありがとうございました…! (2023年1月7日 19時) (レス) id: 23840e3b5f (このIDを非表示/違反報告)
あきまる(プロフ) - すげぇ今更だけど読み終わりました。リドルくんのメンヘラ具合と主さんの愛情の受け取り方がいい感じに絡み合ってあのラストになるのがとても切なくて素敵です…!ありがとうございました。 (2023年1月7日 19時) (レス) id: 108e4cfb5a (このIDを非表示/違反報告)
灰色(プロフ) - しろつめさん» うれちい…!うれちい…!此方こそ読んでくださって本当にありがとうございました! (2022年5月25日 23時) (レス) id: 02fb3ffb1f (このIDを非表示/違反報告)
しろつめ - 蛙化苦し〜〜!?って思ってたら夢主が思ったよりかわいい心情でとてもすきだったし面白かったです……ラストも素敵! 完結おめでとうございます、素敵な作品ありがとうございました! (2022年5月25日 23時) (レス) id: a47367aeb2 (このIDを非表示/違反報告)
灰色(プロフ) - ありがと〜!こんな訳わからん小説好きっ手言ってくれてうれしいます… (2022年5月24日 16時) (レス) id: 02fb3ffb1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灰色 | 作成日時:2022年2月28日 20時